パブリックに関わるキャリアについてマカイラ主催イベントに政策企画の安井が登壇

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2月19日にマカイラ株式会社が主催した「パブリックに関わるキャリアを考える」第2回オンラインイベントが開催されました。

今回、メルカリから政策企画の安井が登壇しました。当日は幅広い参加者と様々な議論がなされましたが、その一部、「政策企画の仕事」「仕事の面白さ、やりがい」「公務員時代の経験が活きること」についてご紹介します。



「政策企画の仕事」

政策企画の仕事は世の中ではいわゆるロビイングといわれている仕事だと思われているかもしれませんが、私が思う政策企画という仕事の全体像、またその魅力を伝えられればと思います。

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ロビイングと聞くと一般的には、自社の利益のためにルールを変える、そのようなイメージを持たれることが多いかと思います。それ自体は間違っているとは思いませんが、政策企画の仕事は、ロビイングやルールを変えることだけでなく「非ビジネス領域での事業支援と信頼獲得」といえると思います。そこには、法令を変えるという要素もありますが、事業連携の創出や関係者と連携したトラブル対応といった信頼構築がとても大事だと思います。

また、この政策企画の業務全体として「社会におけるより良いルールづくりに貢献する」ことが重要です。業務の性質上、ステークホルダーとの長期の信頼関係の中でルール作りや関係構築をしなければならないといった形になっているかと思います。そのため、自分の会社だけが利益を享受すればいいという議論の構図にはなりづらく、社会全体に利益をもたらす中で自社にもプラスを作っていく。そういった仕事だと考えています。


「仕事の面白さ、やりがい」

長期的に自社利益を実現するためには、社会にとって良いアウトプットを出すことが大事だとお話しましたが、そこは公務員をやっている頃から連続したやり甲斐があるところだと感じています。

事業の性質にもよりますが、社会全体の利益と自社利益が噛み合う業務というのは非常に幅が広く、できることも多くあると感じます。

反面、公務員をやっている頃と違うなと思うことは、メルカリではビジネスの現場に近いことで自身が仕事を進めたことでの成果が見えやすく、自分が頑張ったほうが現場に喜ばれる、世の中が良くなると実感しやすいことだと思います。これは自分の業務への納得感とやり甲斐にもつながります。


「公務員時代の経験が活きること」

いま私が担当している仕事の領域では、これまで公務員時代に得た特定分野の専門知識などが直接役に立っているというよりは、状況分析や関係性の整理を行う、合意形成していくシナリオをつくる、そういう役所の一般的な調整業務のようなところの方が過去の経験から活きているところではないかと思います。

また、意見の違う多様な関係者と議論をするということも貴重な経験だと思います。今の仕事でも、良い合意形成をするためには、意見が近い人同士で話すだけではだめで、意見が違う人と対話をして、お互いの違いを理解する、互いの立場が違うという事実に同意するということが第一歩だと思います。

(伊藤 亮太)

 

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安井 暢高 (Nobutaka Yasui)

2010年経済産業省入省。東日本大震災の被災地支援・現地派遣、機構定員・組織改革(特許庁)、規制法改正を含むクレジットカード取引システムの改革、国会担当(中小企業庁)、内閣官房で成長戦略とりまとめ総括などを担当。途中、米国George Mason大で「法と経済学」及び「国際競争法と経済学」LL.M.取得。2020年から現職。メルペイ事業関連を中心に政策企画業務に従事。