社会貢献のダイバーシティを進める「寄付型梱包資材」をリリース

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9月21日、メルカリと日本財団で、誰もが気軽に社会貢献できる仕組み「寄付型梱包資材」をはじめました。

「寄付型梱包資材」とは、メルカリストアで「寄付型梱包資材」を購入いただくことで、1枚につき5円が日本財団に寄付される仕組みです。

いただいた寄付は、日本財団の「子ども第三の居場所」プロジェクトにて、さまざまな困難に直面する子どもたちの支援に活用されます。

メルカリストアは、アプリ内画面下の出品タブ内にある「メルカリストアを見る」からご確認いただけます(メルカリガイド「メルカリストアでの購入までの流れ」)。

今回は、この「寄付型梱包資材」の企画担当者である日本財団の藤田滋 広報チームリーダーとメルカリBizDevの中藤 裕之、メルカリ政策企画参事の高橋亮平で対談を行いました。

「寄付型梱包資材」に込められた思いや、企画に至った経緯などをお伝えしたいと思います。

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社会貢献のダイバーシティを進める「気軽な寄付」

メルカリ政策企画参事 高橋亮平(以下、高橋)> 今日は、今回リリースとなる「寄付型梱包資材」に中心的に関わった3人で、お話していきたいと思いますが、まず、メルカリと日本財団で、今回の「寄付型梱包資材」を作ることになったきっかけ、経緯について藤田さんからお話しいただけますか?

 

日本財団広報チームリーダー 藤田滋(以下、藤田)> メルカリと日本財団は、今年の3月に、モノを通じた社会貢献を促進する業務提携を結びました。もともとはメルカリの「メルカリ寄付」というオンラインでの寄付を主軸として、モノを売っての寄付を促進しようと始まりました。

提携でどういった施策をやっていくか話し合う中で、梱包資材を使って何かできないかという案が出されたのが今回の企画のきっかけでした。

個人的には、当初から直感的に面白いなと思っていて、可能性を感じていた施策です。

 

高橋> お話にあった日本財団とメルカリの提携ですが、初めて聞いた人の中には、なぜ日本財団とメルカリの組み合わせなのか?という点が気になる人もいるかと思います。藤田さんご自身はメルカリとの提携にどんなことを期待していましたか?

 

藤田> 私たちは「100人いれば100通りの社会貢献がある」と考えています。

例えば、お金がある人は寄付ができますし、体力がある人はボランティアをすることができます。また、社会課題に関する情報をSNSでシェアすることも、多くの人に社会課題を知っていただくという意味で、「社会貢献」であると思います。

日本財団では「ひとりひとりが自分にできることで社会を変える」ということを活動理念で謳っていますが、様々な人がそれぞれできることを通じて社会貢献に参加する「社会貢献のダイバーシティ(多様性)」が大切だと考えています。

メルカリと提携するというお話が出た時に、非常に可能性と期待を感じたのが、まさにこの社会貢献のダイバーシティを進めるという部分です。

誰でも、自分では使わなくなったモノがおうちにあると思うので、モノを売ってそれが寄付につながる仕組みを作ることができれば、社会貢献のハードルが下がり、より多くの人に「社会貢献」に興味を持っていただけるのではないかと考えていました。

 

高橋> 中藤さんは通常メルカリの中で事業開発について担当されていますが、「寄付型梱包資材」をやろうという話が出た時、どのようなことを考えていましたか?

 

メルカリBizDev 中藤裕之(以下、中藤)> 私は、普段、メルカリの中で事業開発の仕事をしているので、もちろん、メルカリの事業そのものが成長するということも大事だと思っていますが、それを超えて、さらに社会に貢献していくというところは非常に重要だと思っていました。

メルカリは「社会の公器」としての役割を目指しています。その役割を具体化していく方法は複数存在すると思いますが、その一つとして、「寄付」というものが当てはまるのではないかと思い、個人的に魅力を感じていました。

一方で、「寄付」の現状を考えた時に、まだまだ気軽に寄付ができる手段が足りていないとも思いました。いざ寄付をしようと思っても、寄付先を探すためのアクションを起こさないといけないというハードルの高さが課題となっていると思います。

そこで、日本財団とメルカリで寄付の仕組みを作る時にも、普段「メルカリ」を使う中で自然と寄付ができる環境というのを目指しました。

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1つの箱で2人が繋がる「寄付型梱包資材」

高橋> 気軽な寄付の仕組みを作るといったときに、なぜ梱包資材に着目したのでしょうか?梱包資材には多くの可能性があるように思っているのですが、中藤さんは、「梱包資材の可能性」みたいなことは事業開発の中でどのように感じていましたか?その辺り、読者の方にも分かりやすいように少しご説明いただけますか。

 

中藤> 梱包資材は、印刷の広告媒体としても使えるな、ということを普段から考えていました。そして、今回の話が上がった時に、梱包資材には、「寄付」という文化を伝えるために使う「面」としての意義もあるかなっと考えました。

あとは、梱包資材は手にとって見れるところが面白いなと思いました。例えば、アプリの通知だと、流れていってしまって見ないということもあると思います。梱包資材であれば「形」として残るので、「寄付」の意義をしっかりと伝えるために相性がいいなと思っています。

デザインも、いつものメルカリ資材と変えていて、日本財団とメルカリのロゴが入っているデザインになっています。パッと一目見て「なんだろう?」と感じてもらって、そこから家族や友人の中での会話が広がるといいなと思います。普段は「寄付したんだ」って会話ってあまりないと思うんですけど、そこが自然とできていく1つのきっかけになればいいなと思っています。

 

高橋> 藤田さんは「寄付型梱包資材」のどんな点に面白さや魅力を感じられましたか?

 

藤田> まずは、梱包資材全体の流通量が非常に多いという点です。これだけ流通している「梱包資材」に寄付という機能がついた時、「寄付」の裾野はどれくらい広がるだろうとワクワクしました。

そして、何より、梱包資材のやり取りには、「送り手」だけでなく「受取り手」がいます。1つの箱で2人の方が触れことができるコミュニケーションのツールとしての側面があるのが魅力的だなと思いました。

フリマアプリ「メルカリ」の取引の中で、送り手が「寄付型梱包資材」を使ってくれるということは、受取り手にとっては、自分の関わった取引がきっかけで寄付が行われているということでもあると思います。もともとは「寄付型梱包資材」を購入した送り手から寄付が始まっているんですけど、受取り手もその寄付に繋がることができる、いろんな意味がつまった取引になる点が素敵だなと思いました。

私も早く、寄付型梱包資材を送ってみたいし、受け取ってみたいです。(笑)

 

高橋>  今までの寄付は、多くの人にとって、特別なマインドを持った人達がするというイメージがあったように思いますし、普段寄付をしない方々からすると、自分たちの知らない遠くの人達が寄付をするといった感覚があったのではないでしょうか。

そういう意味では、「寄付型梱包資材」は、今まで寄付から遠かった人が寄付の当事者になるきっかけを作れるものなのかなと思っています。たまたま「メルカリ」でモノを購入した相手が寄付をする人で、自分は寄付について考えたことがなかったけど、取引で使われたこの梱包資材で寄付がされるんだ、といったふうに受取り手も寄付に関わっていけるのが面白いですよね。メルカリの売上金(メルペイ残高)を寄付する「メルカリ寄付」もそうですが、個人をエンパワメントするというメルカリのコンセプトともこの「寄付型梱包資材」は合ってますよね。

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寄付の「バトン」を繋いで

高橋> 最後に、この記事を読んでいる人、あるいは、「寄付型梱包資材」を受け取った人へメッセージをいただけますか?

 

中藤> 「社会貢献」って、言葉で聞くと大それた話のように聞こえますが、もっと身近に感じられる言葉になればいいなと思います。

取引で使う梱包資材の1枚を、通常のものでなくて、「寄付型梱包資材」を使うという少しのことでも、それは立派な「社会貢献」であると思っています。今回の「寄付型梱包資材」がきっかけで、寄付をして自分もハッピーになったって人が増えればいいなと思います。

一方で、寄付してくださったことに対して、メルカリと日本財団の責任として、寄付先、寄付額がどう使われたかというところをしっかりと発信していきたいです。寄付の透明性と説明責任を果たしていくというのが自分の決意です。

 

藤田> シンプルに、もし偶然このボックスを受け取った方がいたら、ぜひ、その「バトン」を繋いでいって欲しいです。今回の「寄付型梱包資材」では、1枚につき5円が寄付されますが、寄付の気持ちが繋がっていくことで、5円という金額的な価値以上の社会貢献を生み出していくと思っています。

社会にとって何かいいことをしたい、機会さえあれば何かしたいと思っている人は本当に多いと思っています。誰かが送った「寄付型梱包資材」が、そういった想いを持っている人の背中を押して、さらにその人がきっかけで、またさらに他の人の背中を押す。そうして、寄付の輪、社会貢献の輪がどんどん広がっていったらいいなと思います。

 

高橋> 藤田さんの話しを聞いていて、「5円」が「ご縁」にかかっているんじゃないかと思ってきました。

「社会にいいことをしたい」という想いが自分自身だけで完結するのではなく、誰か他の人にも「いいことをしたい」と思ってもらうようなペイフォワード的につなげていくことができるツールが、まさに「寄付型梱包資材」なのかなと思いました。

次の人に想いを繋げていくことができる寄付ツールって今まであまりなかったかなと思いますし、自分が共感したプロジェクトに「寄付をする」だけでなく「寄付の輪を広げるムーブメント」という形で、この「寄付型梱包資材」を様々な方に使っていただきたいですね。今日はありがとうございました。

 

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藤田 滋(Shigeru Fujita)

日本財団 経営企画広報部 広報チーム チームリーダー。1982年生まれ。英エセックス大学 政治学修士、金融コンサルティング会社、国際協力団体での経験を経て2015年に日本財団に入会。社会的企業への投資、社会的インパクトの評価業務を担当。国内初のソーシャル・インパクト・ボンドの組成などに従事。2019年より広報チームでSNS、広告を担当。

 

中藤 裕之(Hiroyuki Nakato)

メルカリBusiness development。1997年生まれ。京都大学法学部卒業。2019年 メルカリ新卒入社。メルカリでは、メルカリのオフライン施策の企画・実行および外部パートナーとのアライアンス業務に従事。担当事業は、メルカリ教室/メルカリ公式資材販売/オフライン連動キャンペーン等。また、日本財団との業務提携案件を事業サイドとして推進。

 

高橋 亮平(Ryohei Takahashi)

メルカリ会長室政策企画参事 兼 merpoli編集長。1976年生まれ。元 中央大学特任准教授。一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、 神奈川県DX推進アドバイザー、国立大学法人滋賀大学講師。松戸市部長職、千葉市アドバイザー、東京財団研究員、政策工房研究員、明治大学客員研究員、市川市議、全国若手市議会議員の会会長等を経て2018年6月より現職。AERA「日本を立て直す100人」に選出。著書に「世代間格差ってなんだ」(PHP新書)、「20歳からの教科書」(日経プレミア新書)、「18歳が政治を変える!」(現代人文社)ほか