日本財団と「今年のクリスマスは、寄付を通して誰かのサンタクロースになろう」をスタート。寄付型梱包資材は15,000枚を突破

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メルカリと日本財団は、12月の寄付月間に、「今年のクリスマスは、寄付を通して誰かのサンタクロースになろう」と題して、12月1日〜25日の期間中に「寄付型梱包資材」で日本財団にいただいた寄付金を、子どもたちへのクリスマスプレゼント購入費用に充てさせていただくこととしました。

メルカリと日本財団は、今年2月から「メルカリ寄付」による寄付を開始、3月には、両者の持つアセットを通じた新たな寄付の仕組みを構築・推進する業務提携を行いました。9月から開始した「寄付型梱包資材」は販売枚数が2ヶ月で15,000枚を突破しました。

この「寄付型梱包資材」の購入によって集まった寄付金は、日本財団を通じて「子ども第三の居場所」の運営に活用していますが、2021年12月の寄付月間は、子どもたちへのクリスマスプレゼント購入費用に充てさせていただきます。

12月中旬からは、全国のメルカリステーション全か所でも「寄付型梱包資材」の販売を開始いたします。

今回は、この「今年のクリスマスは、寄付を通して誰かのサンタクロースになろう」の取り組みなどについて、9月の対談に引き続き、このプロジェクトを担当している日本財団の藤田滋 広報チームリーダーとメルカリBizDevの中藤裕之、メルカリ政策企画参事の高橋亮平で対談を行いました。

9月に実施した対談も合わせてお読みになってください。

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知ってもらえれば、寄付をしてもらえるという実感

高橋> 12月1日から25日の期間中に「寄付型梱包資材」で日本財団にいただいた寄付金を、子どもたちへのクリスマスプレゼント購入費用に充てる企画がスタートしました。なぜ「今年のクリスマスは、寄付を通して誰かのサンタクロースになろう」をやろうと思ったのでしょうか?

中藤> 今年9月、日本財団とメルカリは、連携の一環として「寄付型梱包資材」の販売を始めました。寄付型梱包資材はお客さまのご協力もあり2ヶ月で15,000枚という当初の見立て以上の販売を実施できました。また、お客さまにアンケートをとった際にも「寄付のハードルが下がった」「気軽に社会貢献できる良い取り組み」というお声をいただきました。この「寄付型梱包資材」という取り組みをより多くの方に理解していただき、利用促進していきたいと考えています。一方で、利用促進する際の課題として自らが行ったアクションがどのように社会貢献に活用されるのかという部分の分かりやすさ、寄付金の利用用途の透明性が重要だと考えています。こうした課題を解消するためには、取り組みに対する認知度を深めていくと同時に、「寄付してください」ではなく、「こういった活動に使います」という分かりやすい伝え方をしないと広がらないと感じています。いかに分かりやすく社会貢献できるということを伝えていくか、今回2ヶ月で「寄付型梱包資材」の実績を公開できるタイミングとともに、クリスマスという季節がターゲットの子どもたちと重なるということも含めて、この企画を考えました。

藤田>  私もこの「寄付型梱包資材」の販売を多くの方に知ってもらいたいという思いがありました。「メルカリ」アプリ内の通知やバナーなどを出していただくとお客様の反応があり、「知っていただくと使ってもらえる」という実感を持っています。そのためには、まず知ってもらうことが重要であり、寄付の盛り上がるモーメントを捉えてお伝えしていくことが大事なのではないかと考えました。12月は世界的に寄付月間でもあり、クリスマスの時期でもあるので、このタイミングで、寄付が何に使われるのかを明確に示すことで、これまで寄付をしたことのない方々にも寄付をしてもらえるきっかけになるのではないかと考えました。

高橋> 知ってもらえれば、寄付をしてもらえるという実感は私も同感です。やはり寄付の共感を増やしていくためには、寄付が何に使われるのか、その寄付によってどういった社会課題を解決できるかなどを明確にすることってとても大事ですよね。

藤田> 日本財団の通常の寄付において多くの方に寄付をいただけるのは、災害が起こった時です。被災地への支援は、助けを必要としている人、そしてどのようにその寄付が使われるかが明確で、より使われ方がイメージしやすいということがあると思っています。

 

「社会貢献できるならこっちの資材を選びたい」など数多くの声

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高橋> 「寄付型梱包資材」は販売枚数が2ヶ月で15,000枚を突破しました。このことをお二人は、どう評価していますか?

中藤> 想定していたものより大幅に上振れた結果でした。メルカリストアで販売される梱包資材を購入しているお客さまから一定「寄付型梱包資材」に移行してくれるとは考えておりましたが、今回それを上回る割合で移行し、購入いただいています。また、今回の取り組みにおいては、数字以上にポテンシャルを感じています。「寄付型梱包資材」を購入いただいたお客様のお声もお聞きしたのですが、「社会貢献できるならこっちの資材を選びたい」という声などを数多くいただきました。フリマアプリ「メルカリ」を利用していただいている方の中には、「不要品を捨てるのがもったいない」、「循環型社会の実現などに貢献したい」といった思いで出品されている方がいらっしゃいます。こうした層の方々が「社会貢献したい」という文脈から購入してくれているのかもしれません。資材を選ぶという体験の中で、より多くの方がストーリーに共感されたのだと思っています。

高橋> 15,000枚という枚数以上に、一定の割合で「社会貢献できるならこっちの資材を選びたい」という方がいらっしゃったことは、今後に大きな可能性を感じますよね。

藤田> 15,000枚という数だけを見るとそう大きくはありませんし、寄付額で言えばまだ7万5千円でしかありません。しかし、メルカリストアで売られているネコポス用の梱包資材のうちの一定割合が、通常の梱包資材より高い寄付型梱包資材を買ってくださっているということには、大きな可能性を感じています。機会さえあれば、「こうした形で寄付をしてみよう」という方はもっともっといらっしゃると思いますし、この「寄付型梱包資材」がメルカリステーションやコンビニでも売られるようになったらと思うと大きな期待があります。「寄付型梱包資材」のバリエーションももっと増やしていきたいですね。例えば先日、「動物のデザインで、寄付先も動物関係の活動だったら絶対に買う!」という人がいました。そういったバリエーションが増えれば。単に寄付額を増やすということだけでなく、寄付や活動を知ってもらうツールになるのではないでしょうか。

中藤> 12月中旬から「寄付型梱包資材」をメルカリステーションでも販売すことを準備しています。通常の梱包資材については、コンビニエンスストアでも売られていますので、今後はさらにオフラインでの展開も検討できたらと考えています。「寄付型梱包資材」の寄付先は、現在、子どもにフォーカスして取り組んでいますが、寄付先を自分で選べる体験ということも大事だと思っており、例えば3月には災害ついてであったり、現在の社会状況だとコロナなど、分野についても広げていきたいですね。高橋> 社会課題として、世の中にはどんな問題があるのか、皆さんが寄付をしたり参加するにはどんな方法があるのか、それによってそれぞれの社会課題がどのように解決するのかといったことも、もっと情報発信していきたいなと思っています。

 

ハードルの低い寄付手段の提供で、若い方々にも寄付してもらえる可能性

高橋> 日本財団とメルカリは、3月に業務連携を結び、「寄付文化の醸成」や「寄付のダイバーシティ」を進めようと、様々な取り組みを行ってきました。藤田さんの中では、こうした連携を進めてきたこの1年で何ができたと感じていますか?

藤田> 「メルカリ寄付」も「寄付型梱包資材」もそうですが、ハードルの低い寄付の方法を提供することはできたのかなと思っています。ものを売るという日常の行動をちょっと変えることで寄付ができるという形は寄付のハードルを非常に下げることにつながったのではないかと思います。何かのついでで行動できるというのがよく、「寄付型梱包資材」についても、いつも通りの梱包資材の購入で貢献できるのがいいと思っています。購入型の寄付は、これまでもありましたし、日常のついでに寄付ということでは、検索寄付や、最近は、社会課題の記事を最後まで読むと協賛企業から寄付という仕組みもできたりしています。こうした日常の色々なことが社会貢献や寄付になるというのは、寄付をより多くの方々に関わってもらうという意味では重要なのだと思っています。とくにメルカリのような多くのユーザー持つ企業と連携できたことで、タッチポイントが増え、普段はあまり社会貢献を意識しない方々も、自分以外の周りの人や社会のことを考えるようになってくれればと思っています。

「メルカリ寄付」で寄付する方法はこちらから。

中藤> 寄付の手段を増やすことができたのは、成果だと思います。「メルカリ寄付」から始まりましたが、梱包資材を買う時にも寄付できるようになりました。まだまだ認知度が低いので、何か社会に貢献していきたいと思っている方たちに届くよう伝えていきたいですし、そういう方々をもっと増やしていきたいです。日本財団とは、10年20年後に向けての若い層など新たな寄付層の獲得をと話をしていました。そこについては、「寄付型梱包資材」の購入により、いままで寄付をしたことがなかった層の獲得にもつながっています。これまでは寄付というと、自分で寄付先を見つけてきて、寄付も銀行から振り込むなどしなければいけませんでした。そういったことから言えば、簡単に寄付をしていただく入口はできてきたのかなと思います。

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高橋>  9月の対談の際に、藤田さんは「社会貢献のダイバーシティを進めたい」と話されていましたが、こうした社会貢献のダイバーシティを進めていくための「気軽な寄付」は、今後さらにどう進めていけばいいと思いますか?

藤田>  3月にメルカリと日本財団の連携以来、様々な取り組みを行ってきました。その中では、「メルカリ寄付」についてもポテンシャルを感じています。メルカリで実施している「メルカリ教室」でもこの「メルカリ寄付」の機能についてもお伝えするようになり、知ってもらえれば寄付もしてもらえることも分かってきました。UXや動線の改善、メルカリステーションとの連携など、メルカリのオンラインとオフライン組み合わせるという取り組みには非常に可能性を感じています。日本財団でも、募金などは街頭募金を実施したことはありますし、単発のセミナーやイベントの時に募金などはありますが、常設でオフラインで寄付を求める取り組みはなく、メインはweb上での寄付を求めています。その意味では、今回、常設でのタッチポイントをどう作っていくかと考え、どういったカスタマージャーニーを想定するかなど、メルカリと一緒に検討していることは、いい経験にもなりました。社会課題にアクションしてくれる人をどう増やしていけるかが重要だと思っているのですが、今回の「メルカリ寄付」も「寄付型梱包資材」も、知っていただければアクションしていただける仕組みを作れたかなとは思っています。日常的に誰かが誰かを支えるアクションを増やせる仕組みにしていきたいな思っています。

中藤> 上手く言語化できないですが、「社会貢献できる喜び」というものは多くの方の中にあると思っています。私自身もこのプロジェクト始めて、寄付という社会貢献に意識を持ち始め、それが私生活にも良い影響を与え、小さなことかもしれませんが、今まで出来ていなかった自分が恥ずかしいのですが、ゴミを分別するようになったりとか、良い行動の変化が生まれています。社会貢献ができる機会は世の中にたくさん存在し、そこに対して目を向けられるか向けられないかというのが重要だと感じています。社会で起きている課題や社会貢献できる仕組みに目を向けるという機会を提供することで、寄付はもちろん、他のSDGsであったり、ESGであったり、こういう社会問題に関心を持ってくれる方も増えていくのではないかなと思いました。

高橋> 昔は一部の意識の高い層の方々が社会問題に関心を持って活動していても、そのコミュニティだけで完結してしまって、外からは活動が見えにくかったり、参加するにはハードルが高かったりして、多くの方々にとっては、「自分たちには関係のない活動」という捉え方が多かった気がします。一方で、大学で授業などをしていても、最近の10代20代などを見ていると、幅広い層で、社会問題への関心が広がっているような気がします。こういった若い層の方々に対して、もっと分かりやすく、簡単に関われる仕組みができれば、社会も変わり始めるのではないかと思ったりしています。中藤さんはまさにそういった世代ですが、何か感じることってありますか。

中藤> SDGsなども2015年頃から社会情勢が強くなっている中で、社会問題に目を向ける人も増えてきた印象はありますね。それまでは、環境配慮などもあまり自分自身は耳にしなかったです。一方で現在は、。自然と耳に入ってきて、様々な取り組みや情報発信が行われています。情報が入ってくることでそれとなく興味をもっているという方も多くいるのではないでしょうか。その方々に対して、社会には、どういう課題を抱えている人がいて、どういう問題があるか、といったより具体的な情報を提供する企画を作ったり、さらに機会を提供することがアクションに繋がるきっかけになるのではと考えております。取り組みを知らないとアクションには結びつきませんが、取り組みを知ると、メルカリ社内でも「いいじゃん」とか「寄付型梱包資材」を「買おう」と言ってくれる人が多い印象はあります。「分かりやすくて自分でもできるかも」という印象をもっていただくことがが大事だと思っていて、冒頭の話に戻りますが、今回のクリスマスの企画もこれをきっかけに、より多くの方に広がっていけはいいなと考えています。

 

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藤田 滋(Shigeru Fujita)

日本財団 経営企画広報部 広報チーム チームリーダー。1982年生まれ。英エセックス大学 政治学修士、金融コンサルティング会社、国際協力団体での経験を経て2015年に日本財団に入会。社会的企業への投資、社会的インパクトの評価業務を担当。国内初のソーシャル・インパクト・ボンドの組成などに従事。2019年より広報チームでSNS、広告を担当。

 

中藤 裕之(Hiroyuki Nakato)

メルカリBizDev  Offline Onboarding team Manager。1997年生まれ。京都大学法学部卒業。2019年 メルカリ新卒入社。メルカリでは、メルカリのオフライン施策の企画・実行および外部パートナーとのアライアンス業務に従事。担当事業は、メルカリ教室/メルカリ公式資材販売/オフライン連動キャンペーン等。また、日本財団との業務提携案件を事業サイドとして推進。

 

高橋 亮平(Ryohei Takahashi)

メルカリ会長室政策企画参事 兼 merpoli編集長。1976年生まれ。元 中央大学特任准教授。一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、 神奈川県DX推進アドバイザー、国立大学法人滋賀大学講師。松戸市部長職、千葉市アドバイザー、東京財団研究員、政策工房研究員、明治大学客員研究員、市川市議、全国若手市議会議員の会会長等を経て2018年6月より現職。AERA「日本を立て直す100人」に選出。著書に「世代間格差ってなんだ」(PHP新書)、「20歳からの教科書」(日経プレミア新書)、「18歳が政治を変える!」(現代人文社)ほか