経済産業副大臣や復興副大臣、福島県知事・副知事が出席する福島相双復興推進機構の報告会で、「メルカリShops」活用による被災地事業者支援も報告

福島の原発事故で被災された方々の事業再開等を支援する官民合同チーム「公益社団法人福島相双復興推進機構」(以下、「相双機構」という。)の年次報告会が4月14日(木)に開催され、その中で「メルカリShops」を活用した農業者の販路開拓支援についても報告をしていただきました。

 

報告会には経済産業副大臣、復興副大臣や福島県知事・副知事、市町村の関係者などが出席され、興味深くその発表を聞いていただいたとのことです。

官民合同チーム活動報告会発表事例 

https://www.fsrt.jp/wp-content/uploads/2022/04/0f65ee389bb61843175ac9e5c1348217.pdf

今回は、相双機構で「メルカリShops」を活用した事業者支援を担当している國分氏と杉氏のお二人に、被災地の状況や支援内容について伺いしました。

 

福島相双復興推進機構とは

経産省、農水省、福島県県、民間企業の官と民が一体となったチームとして、原発事故で被災した12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)の復興と創生に向け、設立された組織。商工業や水産加工業などの事業者支援、農業再開支援、広域まちづくり支援、産業創出支援と、大きく4つの分野に取り組んでいる。

事業者支援では、被災12市町村において事業を営んでいた事業者さまを相双機構の職員が個別に訪問し、事業計画や販売戦略の策定、新商品開発・販路開拓など、事業再開、継続、成長に向けて支援している。

また、2017年から開始した農業再開支援では、震災でやむなく休止した農業者を個別訪問し、困りごとや再開意向を伺い、農水省・福島県・市町村等と連携して、その課題解決を図りながら、農業再開に向けて支援している。さらに、農作物の販売先を拡げたい、六次化で価値を高めたいという要望に応えて販路拡大も支援している。

2021年からは、被災12市町村に加え、いわき市・相馬市・新地町を含めた福島の水産業の復興に向けて、水産関係の仲買加工業者への支援も行っている。

 

布施 健太郎 ソウゾウ政策企画マネージャー(以下、布施)> 福島の復興の現状はどのような状況でしょうか。

相双機構> 福島の復興は着実に進展していますが、これから居住制限が解除される地域もあり、復興への取り組みは継続中で、地域によっても進展の度合いが大きく異なる状況となっています。6月12日には、葛尾村の帰還困難区域の一部で避難指示が解除されました。放射線量が高く、解除まで長期間かかる、と位置づけられていた帰還困難区域において、初めて住民が再び暮らせるようになりました。また、福島第一原発の立地する双葉町は、今年6月以降、事故後初めて住民帰還が実現する予定で、同時に町役場も移転する予定となっています。

布施> 震災から11年経過しますが、ようやく居住制限が緩和される地域もあるのですね。事業者支援としてECによる販路開拓をされている背景や理由は何でしょうか。

相双機構> 事業者・農業者さまをご支援する中で、従来の販路にとらわれない消費者と直接に取引を行うECサイトも含めた販路拡大により、売上が向上し、事業を維持・継続できることが重要だと考えていました。他のECモールやEC化支援サービスでの販売の提案も検討したのですが、「メルカリShops」はスマホで気軽に出品でき、発送の手続きも容易であり、顧客基盤も多いことがとても魅力的と考え、みなさまに紹介させていただくことにしました。また、事業者・農業者さまが手軽にECを始め、継続して運用する上で、とても取り組みやすい仕組みと感じたことも大きな要因です。

布施> 実際に「メルカリShops」を利用していただいている事業者さまはどのような方が多いのでしょうか。

相双機構> 初期はどちらかというとある程度ITリテラシーのある方が多かったのですが、最近はスマホの使い方に慣れていないような方にもご利用いただけるよう、働きかけています。利用している事業者・農業者さまも売上向上に繋がったことで、喜びの声があがってきていますし、今後も継続した売上向上につなげて、事業者さまの活動に少しでも貢献できれば嬉しいです。

布施> 実際に支援した上での課題や工夫、印象に残ったことなどはありますか。

相双機構> 農業者さまに「メルカリShops」をご紹介した際、みなさまの反応はとても良かったのですが、なかなか出品につながりませんでした。Webを使った新しいことを始めることに慣れていなかったのかもしれません。無理強いではなく、どうすれば始めていただけるかを考え、ショップ情報、商品説明、写真撮影など、不慣れなことを、我々が一緒にサポートさせていただきました。また、売れたあとにやるべきことがわからないといった声もあり、スマホのビデオ通話で梱包資材や発送通知の方法などをご説明したり、実際に資材を事前に持参して、梱包の仕方を教える、なども実施しました。実際にやってみると簡単だったとおっしゃっていただき、以降、ご自身で簡単に対応できるようになった農業者さまについては、非常に嬉しく、印象に残っています。

布施> 今年の3月11日に合わせ、「メルカリShops」では「東北3県復興支援!おすすめショップ特集」を実施し、「メルカリShopsマガジン」に各ショップの商品やコメントを掲載しました。相双機構が支援している農業者さまにも参加していただきました。

相双機構> 商品が売れることで早く成功体験を積んでほしいと思っていたところに、ちょうど特集の話があり、参加した農業者さまのショップでは、多くの人にご覧いただき、商品を購入していただきました。短期間にも関わらず売上につながったことから、農業者さまにとっても大きな自信と喜びにつながったと思います。食品は、まず食べていただき、リピートで今後の販売につながることが重要ですので、非常にありがたい特集でした。このような売り手の方が目立つことがいかに大事かも痛感いたしましたので、今後の出品案内の際にきちんと紹介していきたいと思います。

布施> 被災地の自治体との連携についても、教えてください。

相双機構> 相双機構では、各市町村との連携を大切にしており、市町村ごとに担当者を配置しております。メルカリさまとの連携では、「メルカリ寄付」の仕組みにより、各市町村の復興に役立つ資金が集まること、福島相双地域の各市町村の認知度が高まることは、とても有意義と考え、相双機構の担当者を通じ、日頃から連携させて頂いている市町村の担当者に「メルカリ寄付」についてご案内させていただきました。

布施> 今後、相双機構ではどのように事業者・農業者さまの支援に取り組む予定ですか。

相双機構> 今後も現場主義を大切にし、引き続き、事業者・農業者さまの生の声を伺い、真の思いを理解して、ご支援していきたいと思います。また、デジタル化など、社会経済の動向にも十分配慮し、時代の流れに沿った新しい提案・支援を行っていく必要があります。メルカリさま、ソウゾウさまとは、引き続き、「メルカリShops」の活用・進展などで連携させていただき、福島相双地域の商品の認知度が向上し、全国への販売拡大に繋がるよう取り組みを進めてまいりたいと思います。直近では、昨年から相双機構として本格的な支援を始めました水産仲買・加工業者さまの商品開発・販路拡大にも積極的に取り組みたいと考えており、「クールメルカリ便」も活用し、水産加工品の売上向上に努めていきたいです。引き続き、ご支援・ご協力をお願いいたします。

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「東北3県復興支援!おすすめショップ特集」で取り上げた福島の被災地のショップのうち、相双機構にご紹介をいただいたショップをあらためてご紹介させていただきます。

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メルカリグループでは引き続き、「メルカリ」や「メルカリShops」の活用を通じて、福島の被災地の復興にも取り組んでいきたいと思います。

(布施 健太郎)