1年間のインターンを経た「企業が行う政策企画の仕事」について

メルカリ政策企画にインターンとして参加していただいた大槻栞佳さんに、インターンの経験を振り返って記事にまとめてもらいました。

インターンから見た政策企画の姿には、内部で働いていると気付かない示唆があり、いただいた原文をなるべく活かして記事化しています。

このため、メルカリグループや政策企画チームとしての意見を代表するものではないことにご注意ください。

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2022年4月から約1年間政策企画チームにインターン生として参加しました。主にmerpoli編集部の一員として、記事作成に携っておりました。

この1年インターンを通して学んだことや感じたことをご紹介したいと思います。

 

企業における政策企画の役割とは

政策企画や政策渉外に興味を抱き、チームに参加した当初は、政策企画とはロビイングや法令改正・ガイドラインの策定等、主に対外的かつダイレクトに事業推進に資する仕事が主軸であると考えていました。

インターン生としての様々な経験を通して、企業における政策企画チームは、事業成長の支援+会社の信頼獲得のため、社内外に向け広くアプローチをする部門であることを学びました。

これは、法律やルールを変えるという攻めの側面のみならず、事業の安定成長のためにリスク検知や回避をするという守りの側面があり、かつ社外のみならず社内に対しても働きかける必要があるということです。

リスク検知や回避としては、主にインシデント対応や法令改正への対応が挙げられます。

特に在籍中の印象的な事例として、盗品や不正な出品の排除に向けた取り組みが挙げられます。この事例に関して言えば、企業活動で生じた課題に対して、1つの改善策を提示することに政策企画チームが関わっています。

二次流通市場において、盗品や不正な出品が紛れ込んでしまう可能性は起こり得るものです。そこでマーケットプレイス自体を閉ざすのではなく、顧客の方に安全に使ってもらうことができるような自主的な取り組みを講じることで、メルカリが目指す多様な価値観を持った人が、自由に取引できるマーケットプレイスの策定が実現できるようになります。

このように、企業活動における課題を多様なステークホルダーを巻き込んで改善するという重要な役割を政策企画チームは担っています。

 

社会と企業を繋ぐ政策企画チーム

私自身インターンを始めるまで社外と企業内の政策企画チームの関係性は、企業が抱える課題解決や業界の利益獲得のために、政界や行政に対して積極的に働きかけるものであると認識していました。

しかし実際には、企業・行政・自治体等各々が抱える課題を基軸に、社会発展のためにどのような貢献ができるか、双方向で対話をして、連携していく仕事であることを学びました。

政策企画チームの方は連日、社内の他のチームのみならず、議員、省庁、自治体、業界団体、NPO/NGO、有識者、メディア等多様なステークホルダーの方とのミーティングを通して対話を積み重ね、社外ステークホルダーと企業を結ぶためにお仕事をされている姿が印象的でした。

私自身も社内のサステナビリティチームやD&Iチームの方々、東京大学の渡辺教授にインタビューをさせていただくことで、幅広い方々と政策企画チームがともにお仕事をされていることを肌身を持って実感しました。

また、2022年からは地方自治体が抱える粗大ごみの課題やリユース推進に向けて、「メルカリShops」での粗大ごみの販売や「メルカリエコボックス」の設置に取り組んでいます。このように幅広いステークホルダーと企業の接点として、社会課題解決に向けて双方を繋ぐ役割も、政策企画チームは担っていることを学びました。

 

「若者」だからこそ政策企画に携わるべき

20代の人は、社会を良くするために考えたことに対して、変わらないルール等を目の前にして実現することができず、もどかしい思いを経験したことは少なくないと思います。私もその1人です。

政策企画チームでは、メルカリが事業を推進する過程で抱える社会課題に対して、上述の通り多角的にアプローチをし、日々課題解決・改善に向けて試行錯誤を繰り返しています。

メルカリの政策企画チームは、多様なバックグラウンドを持つ方々で構成されています。その中で1つ共通点を挙げるとすれば、皆さん1人1人が「より良い社会や政策を作ることに貢献したい」という思いを持って働かれていることです。オフサイトや日頃のミーティングを通しても、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」というミッションを達成するために、個人のみならずチームとしてどうすれば良いか、常に活発な議論がなされています。

複雑化する社会において生じる課題を個人の力のみで解決することは、益々困難になっています。そのような中、企業が担う社会的役割は拡大しており、それに伴い課題解決の旗振り役となることが求められています。

企業を取り巻く環境が変化している現代だからこそ、社会をより良くしたいと思う仲間とともに、企業の一員として社会課題を解決することができる政策企画チームは、間違いなく刺激的で魅力のある職業であると思います。

将来的に若手の進路の選択肢の1つに、企業の一員として社会形成に関わることができる政策企画も加わるようになるのではないでしょうか。

 

最後に

メルカリ政策企画チームでインターン生として過ごした経験は、今後の人生においてかけがえのない財産です。

在学中このような経験をさせていただいたことを大学院に評価していただき、稲門奨励賞を受賞することができました。

一学生にこのような貴重な機会を設けてくださり、本当にありがとうございました。

学んだことを活かして今後も努力してまいります。

(大槻 栞佳)