メルカリ主催のグリーンフライデーに環境省、経産省、消費者庁も応援メッセージ。官民連携でサーキュラーエコノミー推進へ

株式会社メルカリ(以下、メルカリ)は、大規模セールのブラックフライデーと同日にサステナブルな消費を啓発する欧米発のムーブメント「グリーンフライデー※1」に合わせ、2024年11月22日(金)から11月24日(日)の3日間、服のリユース・リペア・アップサイクルを活用したサステナブルファッションの楽しみ方を提案する、「メルカリ グリーンフライデープロジェクト2024 〜新作ゼロのファッションフェス〜」を東急プラザ原宿「ハラカド」にて開催しました。

※1:「グリーンフライデー」とは、大規模セールが行われるブラックフライデー(11月第4木曜日の翌金曜日)と同日に、モノを大切に長く使うなど、地球環境に優しい持続可能な消費を啓蒙する目的で行われている取り組みです。先行して取り組みが進む欧州では、ブラックフライデーと同時期に、不要な衣服の交換会やモノを修理して使い続けることを教えるワークショップなどが実施されています。

今年は過去最多となる計11社のパートナー企業を迎え、昨年に引き続き「新作ゼロのサステナブルファッションショー」や、お客さまが不要になった衣類を持参し、欲しいものと交換できる物々交換ブース「Bring One Get One Free」、まだ着用できる服のアップサイクル・リペアを体験いただけるブースなどを開催しました。

 

官民連携で推進するサステナブルファッション

初日の11月22日(金)には、ファッションショーに先立ち、メルカリとパートナー企業の中から、株式会社アダストリア、株式会社オンワード樫山、リフォームスタジオ株式会社が本プロジェクトの参画背景やサステナブルファッション推進に向けた課題の説明を行った他、プロジェクトの趣旨に賛同いただいた島田智寛 環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 デコ活応援隊(脱炭素ライフスタイル推進室)隊長、田中将吾 経済産業省 GXグループ 資源循環経済課 課長、黒田啓太 消費者庁 消費者教育推進課 課長の3省庁から、政府の方針とともに本プロジェクトへの応援メッセージをいただきました。

環境省 島田 智寛隊長(室長) 

環境省 島田 智寛隊長(室長)

環境省で「デコ活応援隊」隊長を務めていますが、正式には「脱炭素ライフスタイル推進室室長」という肩書きも持っています。本日は、「デコ活」という国民運動を含めて、政府の取り組みをご紹介したいと思います。

まず、「グリーンフライデー」のイベントに参加できることを、大変嬉しく思っています。この時期は、メールや広告で「ブラックフライデー」のセール情報が多く届きます。つい購買意欲をそそられることもありますが、大量生産・大量消費・大量廃棄を助長しかねない風潮があります。これに対し、「必要なものだけを生産し、購入し、循環させる」というメッセージを込めた「グリーンフライデー」の取り組みは非常に重要です。私自身、この考え方に深く共感し、政府としても積極的に推進していきます。

政府では、国民運動「デコ活」を始め、消費者の皆さまのグリーンでサーキュラーな選択を後押しする活動を進めています。経済産業省や消費者庁とも一丸となって取り組んでいます。

「デコ活」は、生活全体を脱炭素化するライフスタイルへの転換を目指す国民運動です。

食べ残しの削減や住まいの断熱リフォーム、太陽光パネル設置、テレワークによる移動削減など、あらゆる領域での工夫を提案しています。また、環境省では「サステナブルファッション」に関する専用のウェブページを設けていますので、ぜひご覧ください。本日のイベントを通じて、企業、行政、そして国民の皆さまと連携しながら、循環型社会の実現に向けてさらに一歩踏み出していきたいと思います。今後ともご協力をよろしくお願いいたします。

 

 

経済産業省 田中 将吾課長

世界的に有名なブラックフライデーは、大規模な消費を促進するイベントとして知られています。一方、グリーンフライデーは、大量生産・大量消費・大量廃棄といった経済システムから脱却し、資源を効率的かつ循環的に活用するサーキュラーエコノミーに基づいた持続可能な消費を推進する取り組みです。

こうした動きは、国や経済産業省が進めるサーキュラーエコノミーや資源循環を促進する政策と方向性が一致しており、私たちもこのような取り組みが広がることを大変心強く感じています。

経済産業省では、産官学のパートナーシップの構築、投資支援、制度的対応の検討など、さまざまな政策措置を進めています。しかし現状として、サステナブルな消費は「言うは易し行うは難し」であると感じることが多いのも事実です。例えば国内の衣類消費では、一日あたり約130台分の大型トラックに相当する衣類が廃棄または埋め立てられている現状があります。このような課題を考えると、持続可能な消費の実現は決して簡単なものではありません。

だからこそ、今回のようなグリーンフライデープロジェクトを通じて、サステナブル消費の重要性を国民の皆様に認識していただくことが重要です。特に若い世代が楽しみながらサステナブルな消費を進められる環境が整うことは、国全体の成長にもつながると期待しています。

経済産業省としても、このイベントを積極的にサポートさせていただきます。最後になりますが、今回のイベントが参加された皆様にとって実り多いものとなることを心より祈念し、挨拶とさせていただきます。

 

 

消費者庁 黒田 啓太課長

持続可能な未来のためには、消費者一人ひとりの主体的な行動が鍵となります。

特に、サステナブルファッションに向けた消費者の取組の第一歩は、ごくごく簡単で身近な行動からすぐに踏み出せるものです。本イベントが、多くの方にとって、ファッションを楽しみながら、自分にできることを日々の行動に一つ取り入れてみる、というきっかけとなることを期待します。消費者庁としても、未来を担う若者に向けた発信など、積極的に取り組んでまいります。

 

今回のグリーンフライデープロジェクトの取り組みは、環境省の「デコ活」公式SNSアカウントでも発信していただきました。

 

新作ゼロのサステナブルファッションショー

「新作ゼロのサステナブルファッションショー」では、メルカリを通じて募集した一般のお客さまやパートナー企業のスタッフ、インフルエンサーがモデルとして登場し、パートナー企業が提供するリユース・アップサイクルのアイテムやモデルの方がご自宅で使わずにいた衣類などを活用して人気ファッションスタイリストRIKU OSHIMA氏がスタイリングしたコーディネートを披露しました。(衣装提供:株式会社アダストリア、株式会社オンワード樫山、株式会社ゴールドウイン、株式会社ティンパンアレイ、株式会社ベイクルーズ、リフォームスタジオ株式会社、株式会社メルカリ)

 

物々交換ブース、まだ着用できる服のアップサイクル・リペアを体験いただけるブース

お客さまが不要になった衣類を持参し、会場で用意しているアイテムと交換できる物々交換ブース「Bring One Get One Free」では、285名の方にご参加いただき、678着の衣類が新しい持ち主の手に渡りました。実際に物々交換された方からは、「昔は洋服を捨てていて、心苦しい感覚があった。誰かに使ってもらえるのはうれしい。」「自分が着なくなった服でも、他の人にとってはお宝になる場合もあるのが面白い。」「一般のアパレルショップにはないレトロなデザインが見つかって楽しかった。」といった感想をいただきました。

また、事前回収された衣類などを使ったアップサイクルのワークショップブースやリペアブースには、合計325名の方にご参加いただきました。体験された方からは、「普段なら捨ててしまうものも、リペアや刺繍で長く使えるようになり感動した。」「子どもが家に帰ってもアップサイクルを続けたいと言っていた。成長して着られなくなった服を家族で再利用したい。」など、ご家族で参加された方々にもご好評をいただきました。

サーキュラーエコノミーの実現には、行政や民間企業といった既存の枠組みを超えた官民連携が不可欠です。特にファッション分野では、衣類廃棄の課題が世界的な社会問題となっています。2024年7月18日には、EUで売れ残り衣類の廃棄を規制し、持続可能な製品の流通を促進するための「持続可能な製品のためのエコデザイン規制」が施行されました※2。この規則は、衣類廃棄削減への国際的な取り組みを象徴するものです。

また、日本においても、1年間に捨てられる衣類の重量は48.5万トンにのぼり、その約9割が家庭から手放されていると推計されています※3。こうした現状を受け、政府は「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版案」※4の中で、“家庭から廃棄される衣類の量を2030年度までに2020年度比で25%削減する”という目標を掲げています。国内外で持続可能なファッションについての関心が高まりつつある今、官民が連携し課題解決に向けた取り組みを加速する必要があります。

※2:Europian Commission「Ecodesign for Sustainable Products Regulation」( https://commission.europa.eu/energy-climate-change-environment/standards-tools-and-labels/products-labelling-rules-and-requirements/ecodesign-sustainable-products-regulation_en

※3:「環境省 令和4年度循環型ファッションの推進方策に 関する調査業務 -マテリアルフロー-」(環境省)( https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/goodpractice/case26.pdf )

※4:「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024年改訂版案」(内閣官房ホームページ)( https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai28/shiryou1.pdf

今年で5回目を迎えた『グリーンフライデー』では、リユースやリペア、アップサイクル商品を活用した新たな楽しみ方や着こなし方、衣服の寿命の伸ばし方を消費者に提案する場を提供しました。

メルカリは、今回のグリーンフライデープロジェクトも含め、行政や企業の垣根を超えてサステナブルなファッションをより身近に楽しむ方法を提案するとともに、「捨てるをへらす」サーキュラーエコノミーの実現を目指してまいります。

(藤井 彩香)