
フリマアプリ「メルカリ」において、iPhoneのマイナンバーカードが本人確認に利用できるようになりました。これは、本人確認に関する制度の改正によって実現されたものです。
https://jp-news.mercari.com/articles/2025/08/01/applewallet_ekyc/
これにより、本人確認手続きが、スマートフォンだけで完結するようになります。この機能は、利用者体験を向上させ、サービスをよりデジタル化する大きな一歩となります。
改正された本人確認制度はこれまでとどう違うのか
「メルカリ」に限らず、スマートフォンを通じて行う従来の本人確認では、マイナンバーカードや運転免許証といった物理的な本人確認書類を用意し、スマートフォンのカメラで撮影する必要がありました。さらに、「マイナンバーカード」の場合、カードに記載された16桁の番号を入力しなければならず、カードを紛失したり、番号を忘れてしまうとすぐに本人確認ができないという問題も発生していました。
こうした本人確認は、法律に定められたルールによって実施されていますが、今回、後述の通り、一部のサービスについて制度が改正され、マイナンバーカードを手元に用意しなくても、スマートフォンだけで本人確認を完結できるようになりました。
新しい制度は、事前に所定の手続きを行うことで、マイナンバーカードのICチップに格納されているものと同じ「カード代替電磁的記録」と呼ばれる情報をiPhoneなどのスマートフォン端末に安全に記録し、本人確認に利用できるというものです。
さらに、本人確認の際の認証も、16桁の番号入力が不要になり、4桁の暗証番号や、「生体認証(パスキー)」で完了できるようになりました。これにより、入力項目が大幅に削減され、よりスムーズかつ安全な本人確認手続きが可能になります。
「メルカリ」でより便利に本人確認ができるようになったサービスは?
メルカリグループが提供するサービスには、法律に基づく本人確認が義務付けられているサービスがいくつか存在します。
それぞれの法令とサービスとの関係は、以下のとおりです。
- 犯罪収益移転防止法
- メルペイ残高
- メルペイのあと払い、メルカード
- メルペイスマートマネー
- 携帯電話不正利用防止法
- メルカリモバイル
- 古物営業法
- 買取リクエスト
このうち、今回の制度改正は「犯罪収益移転防止法」「携帯電話不正利用防止法」の2つを対象に行われました。「メルカリ」では、犯罪収益移転防止法の適用を受けるサービスについてiPhoneでカード代替電磁的記録によるスマホ完結での本人確認が可能となりました。
今後の展望:より安全な本人確認制度へ
今回の制度改正は、マイナンバーカードの活用を積極的に推進しているデジタル庁の動きと密接に関連しています。
メルカリが今回発表したスマホ完結の本人確認の機能については、デジタル庁のHPでも取り上げられています。
デジタル庁HP(事業者一覧にメルカリが掲載されています)
今後、政府は、非対面取引(ネット決済など、顧客と事業者が対面しない取引)の本人確認の方法として、運転免許証やパスポート等の券面撮影画像の送信による従来の方法を廃止し、マイナンバーカード等のICチップに格納されたデータ(カード代替電磁的記録を含む)の送信による本人確認に集約していく「一元化」の動きを進めていきます。現在、携帯電話不正利用防止法については2026年4月1日に、犯罪収益移転防止法については2027年4月1日に、それぞれ本人確認の方法が一元化されることが予定されています。
これまでの本人確認では、本人確認書類の券面撮影画像等の送信による方法が一般的で、こうした方法も有効ですが、技術の進展に伴い、より強固で信頼性の高い仕組みが求められるようになっています。マイナンバーカードやカード代替電磁的記録は、高度な暗号技術などによってなりすましが困難とされており、従来の本人確認書類と比較してより安全性の高い本人確認の方法として注目されているのです。
現在は犯罪収益移転防止法と携帯電話不正利用防止法に限定されている今回の「スマホ完結型」の本人確認ですが、今後、他の分野にも広がり、より便利で安全な取引ができるようになることが期待されます。メルカリは、今後もデジタル庁や関係省庁と連携し、非対面取引分野を中心に、より円滑な本人確認の仕組みを整備していきます。
(小池 綾)