提供:経団連
2025年2月10日、環境省、経済産業省および一般社団法人 日本経済団体連合会(以下、経団連)によって2021年に創設された循環経済パートナーシップ(J4CE:ジェイフォース)※1の「注目事例集2024年度版」に、「メルカリ・ヤクルト山陽・安芸高田市・三次市によるリユース推進の実証実験」が掲載され、その発表式が開催されました。
注目事例集2024年度版は、2024年度のJ4CEの活動方針である「事業者間連携事例の構築・推進」の実現に向けて、「サーキュラー・エコノミーに関する事業者間連携」をテーマに、幅広いステークホルダーとの連携や、連携を支えるデジタル技術の活用等の取組を中心としつつ、取り組みの切り口の斬新さやカーボンニュートラルやネイチャーポジティブへの貢献などの観点も考慮に入れ、J4CEに登録された全取組の中から、事業者間で連携した注目すべき取り組みとして18事例が選定されて事例集に取りまとめられました。発表式では、注目事例掲載企業と循環経済に取り組む18の企業からそれぞれ事例報告がなされました。
この事例集を通じ、日本の企業・団体・自治体等の事業者間連携の取組によって、循環経済を促進していることが内外に広く知られ、こうした取り組みがさらに広まることによって、日本と世界の循環経済を促進する一助になることが企図されおり、英語版も作成予定です。
「日本企業による循環経済への取組」注目事例集 Vol.3 2024年度
※1:「循環経済パートナーシップ(J4CE)」は、循環経済への流れが世界的に加速化する中で、日本において、国内の企業を含めた幅広い関係者の循環経済への更なる理解醸成と取り組みの促進を目指し、官民連携を強化することを目的として、2021年3月2日に、環境省、経済産業省、経団連により創設されました。J4CEの創設は大きな関心を集め、現在(2024年12月末)までに200以上の企業や業界団体が参加しています。
「メルカリ・ヤクルト山陽・安芸高田市・三次市によるリユース推進の実証実験」について
今回選定されたメルカリの取り組みは、2024年6月5日の「環境の日」・「世界環境デー」に合わせ、株式会社メルカリと株式会社ヤクルト山陽(以下、ヤクルト山陽)および広島県の安芸高田市と三次市(以下、安芸高田市・三次市)が連携し、地域で回収した”まだ使える”不要品をEコマースプラットフォーム「メルカリShops」で販売する実証実験として、開始されました。
この実証実験では、安芸高田市と三次市において、ヤクルト山陽のヤクルトセンターや営業所を経由する以下の3つの方法で地域の“まだ使える”不要品を回収しています。
全国に約100社あるヤクルトグループの販売会社の中で初めて、ヤクルトレディによる宅配システムや、地域のヤクルトセンター・営業所を活用して”まだ使える”不要品の回収に取り組んでいます。
また、安芸高田市・三次市と連携し、自治体の不要備品およびクリーンセンター等において市民から回収された”まだ使える”不要品の選定や運搬に協力することで、自治体職員の出品にかかる業務負担の軽減にもつながっています。
ヤクルトセンター・営業所にて一時的に保管された物品は、ヤクルト山陽のスタッフによる検品や梱包を経て、リユース品としてヤクルト山陽の「メルカリShops」アカウントにて販売され、リユースの活性化と地域循環の新たなモデル構築に向けつなげていく予定です。また今回の発表式では、株式会社メルカリとヤクルト山陽株式会社の担当者から、実証実験の概要および現時点(2025年1月末)での取り組みの実績と反響について説明しました。
なお、この実証実験の実施にあたっては、国立大学法人東京大学インクルーシブ工学連携研究機構(東京大学RIISE)「価値交換工学」※2と連携しており、リユースの推進を通じて生まれた温室効果ガス(GHG)の削減貢献量を算出する効果測定を行いながら、3月の実証実験終了後に、リユースに対する意識の向上や経済的な効果の評価なども含め、成果を報告する予定です。
中長期的には他地域や他企業とも展開可能な地域循環のモデルケースとしていくことを目指し、社会全体でのリユースを推進してまいります。
※2:東京大学RIISE「価値交換工学」概要 https://www.riise.u-tokyo.ac.jp/research_programs/vxe
メルカリは今後も、「メルカリShops」を活用した自治体や企業との連携を通して「捨てる」をへらし、サーキュラーエコノミーの実現に取り組んでまいります。
(布施 健太郎)