メルカリ政策企画では、キャッシュレス決済を正しく利用するための授業プログラムを新たに開発し、自由ヶ丘学園高等学校(東京)にて「メルペイと考える安心安全なキャッシュレス社会」と題した授業を行いました。
メルカリではこれまでにも「フリマアプリの安心・安全な利用方法を考える教育プログラム」を開発し、学校への出前授業や教職員、消費者教育関係者向けの情報展開を通じた啓発活動に取り組んできました。
このプログラムは東京都教育庁の「都立高校生の社会的・職業的自立支援教育プログラム事業におけるプログラム」や、神奈川県教育委員会の「高校生学習活動コンソーシアム」に登録をしている他、全国の学校でご利用いただいています。
今回、こうしたプログラムに加えて新たにキャッシュレス決済に関する授業プログラムを開発した背景として、主に以下の2点があります。
①社会にキャッシュレス決済が普及していくなかで、新学習指導要領において以下の内容が盛り込まれている。
中学校 技術・家庭科(消費生活・環境) ここでは,キャッシュレス化の進行に伴って多様化した購入方法や支払い方法の特徴が分かり,収支のバランスを図るためには,生活に必要な物資・サービスについて金銭の流れを把握し,多様な支払い方法に応じた計画的な金銭管理が必要であることについて理解できるようにする。 購入方法の特徴については,インターネットを介した通信販売などの無店舗販売を取り上げ,利点と問題点について理解できるようにする。 支払い方法の特徴については,支払い時期(前払い,即時払い,後払い)の違いによる特徴が分かるようにするとともに,クレジットカードによる三者間契約を取り上げ,二者間契約と比較しながら利点と問題点について理解できるようにする。
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高等学校 家庭科(家庭総合) 家計が家族構成やライフステージ,生活に関わる価値観などで大きく異なることや,キャッシュレス時代の家計の管理などについて,具体的な事例を取り上げ理解できるようにする。また,現代の家計は,クレジットカードや電子マネーの普及などキャッシュレス化によって大きく変化しており,情報が氾濫する中で慎重な意思決定が求められていることを具体的な事例を通して理解できるようにする。
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②2022年4月1日から改正民法が施行され、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられることをふまえ、消費者教育の充実が求められている。
これらのことからメルカリ政策企画では新たに、キャッシュレス決済の利点と、安心安全に利用するための授業プログラムを開発しました。
教材スライド表紙
本プログラムは、スマートフォンでの決済を中心に前払いや後払いなどの支払い方法の特徴に加えて、収支管理の重要さ、そしてパスワード管理などのセキュリティの大切さについて主体的に考えながら、身近な存在であるキャッシュレス決済を利用する際に気をつけることを学べる内容になっています。
なお、授業プログラムの設計と授業実施にあたっては、NPO法人企業教育研究会にご協力いただき、学校の先生からのご意見やアドバイスをお伺いしながら、実際に教育現場で必要とされている内容になるように作成をしました。
今回授業を行った自由ヶ丘学園高等学校では、これまでにもSTEAM教育などをはじめとした特色のある授業を実施されています。
今回はアスリートクラスで家庭科の授業時間内に実施をさせていただきました。
※これらの取り組みは新型コロナウイルス感染症対策を行いながら学校と調整のうえ実施をしています。
政策企画齋藤(右)からメルペイの仕組みやサービスの概要を説明
授業の最初に普段のキャッシュレス決済の利用状況について質問をしました。通学で交通系ICカードをよく利用している生徒さんが多い様子でしたが、日頃メルペイをよく使っているという生徒さんもいました。
教材スライドの1ページ
実施した授業の内容は以下の通りです。
・キャッシュレス決済の便利なことを利用者とお店の視点で考える
・キャッシュレス決済の注意点を考える
・支払い方法ごとの特徴(前払い・後払いのお金の流れ)を学ぶ
・体験エピソード事例をもとにしたワークショップ
・キャッシュレス決済事業者の安心安全に関する取り組み説明
・もしものときの対応や相談方法の解説
また、実際にメルペイの利用規約を題材にして「利用規約にはどのようなことが書かれているか」という点についての解説も行いました。
ワークショップについての説明スライド(右側のプリントをひとり1枚ずつ配布します)
ワークショップでは3、4人のグループになり、最初に配布したプリントを個人で読み込む時間を取りました。
プリントにはそれぞれ「前払い」「後払い」「セキュリティ」の3種類の体験エピソードについて、便利な点と困ったことがストーリー形式で書かれています。
プリントの内容をじっくり読み込んでいます
プリントを読み込んだあとはいよいよグループワークです。
それぞれのプリントに書かれたエピソードのなかで気付いた点や意見をミニホワイトボードにまとめていきます。
ホワイトボードには
・自分がどのくらい使っているか管理する
・使う金額の上限を決める
・しっかりとロックをかける
・パスワードを教えない
などの様々な意見が書かれていました。
グループごとにミニホワイトボードに意見をまとめる様子
最後にミニホワイトボードの内容をクラス全員で共有したうえで、重要なポイントについて解説とまとめをしました。
重要なポイントについて解説をしていく政策企画齋藤
授業終了後のアンケートでは「どのようなことに気をつける必要があるか?」という問いに対して以下の回答をいただきました。
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メルカリ・メルペイでは今後も様々な観点での金融教育に取り組んでいきますので、教材の内容や取り組みに興味のある学校や教育関係者の方はコーポレートサイトのお問い合わせ窓口よりご連絡ください。
現在、今年度の金融教育授業の実施校を募集しています。
プログラム:「メルペイと考える安心安全なキャッシュレス社会」
対象:中学校、高等学校
授業時間:社会科・家庭科・総合的探究の時間など
授業コマ数:1,2コマ
その他:授業アンケートや弊社のブログなどへの写真掲載の協力をお願いします
お問い合わせ:講演のご依頼(青少年・保護者・教育関係者向けの教育プログラム)
※新型コロナウイルスの感染状況を鑑みながら、オンラインでの開催を想定しています。
(齋藤 良和)