京都光華女子短大で行った「メルカリShops PBLプログラム」のアンケート結果をまとめました

「メルカリShops PBLプログラム」は短大でも実施

メルカリ政策企画では、2022年度、「メルカリShops」を用いて実際にECで販売する教育プログラムを全国で実施してきました。

先日、3つの高校で実施した結果報告記事を書きましたが、今回は、2022年度に実施した短大での実施結果報告になります。

2021年10月に「メルカリShops」を本格提供開始したことを受け、政策企画チームの天野宏が担当し、京都光華女子大学短期大学部(以下、京都光華女子短大)で、短大生たちがECを活用して地域を活性化させていくモデル授業を実施しました。

実施した京都光華女子大学短期大学部ライフデザイン学科は、産学連携授業等を実施し、学生と地域内外の事業者との交流促進を通じて、学生の地域理解・ビジネスマインドの育成・女性の自立および短大教育の充実等に取り組んでいます。

「メルカリShops」が目指す地場産業に焦点を当てた地域経済の活性化と、京都光華女子大学短期大学部が強化する京都の伝統産業事業者との連携意向が合致したことから、「メルカリShops」を活用し、地域活性化と学生のビジネスマインド育成を行う授業として実施しました。

 

日本の伝統産業や一部アパレル産業が消滅の危機に瀕しています

生活様式の現代化によって、住居の和室の数が減少傾向にあると言われています。また、コロナ禍による海外からの旅行客の減少等で、お土産物等の伝統・地域産品の需要も著しく減少しました。これらのことは、観光や伝統産業の事業者が特に多い京都市の経済に甚大な影響を与えています。

京都光華女子短大では、「メルカリShops」上で京都市のど真ん中で事業を営む伊藤畳店さんとTezomeyaさんの商品の全国販売を実施しました。

 

授業プログラムのアンケート結果

今回の授業プログラムの終了時に、参加した短大生たちにアンケートに協力してもらいましたので、紹介しておきます。

今回プログラムを受講した短大生の「メルカリ」に対する認知は100%でしたが、購入経験ありは45.5%、出品経験ありは27.3%と、同じプログラムを受講した高校生の2倍近くでした。一方で「メルカリShops」の認知度は高校生たちよりも低い36.4%でした。

今回のプログラムを受講したことで「メルカリ」での購入をはじめた人が36.4%、「メルカリ」で出品を開始した人が63.6%となった一方で、「メルカリ」を親や友人に紹介した人は9.1%、「メルカリShops」を親や友人に紹介した人は18.2%と高校生と比べて低い結果となりました。これは、受講生の大半がまだ1年生でかつコロナ禍であったため、大学生活に馴染んでいる最中であったことや、親元から離れて一人暮らしを始めた学生もいたからかもしれません。

短大にもなるとこうしたPBL的な授業が増えることもあってか、「メルカリShops PBLプログラム」の評価は、「とても良かった」と「良かった」の合計は72.7%、フリマやECへの理解が深まったかとの問には「とても深まった」と「深まった」を合わせて81.8%、若干低めでした。

学びはあったかについては「とてもあった」と「あった」の割合は高校生とは逆になったものの、合わせて100.0%と高い評価となり、難易度についての問も同様に「とても難しかった」と「難しかった」を合わせて100.0%でした。

地域の産業や名産品などへの理解については、「とても深まった」と「深まった」についてはこれまでの他の授業でも実践していたこともあり、合わせて72.7%とやや低かったものの、地域でのビジネスを身近に感じることはできたかとの問は「とても感じた」と「感じた」を合わせて90.9%と高校生同様に高くなりました。

今後の進路に影響を与えたかとの質問については、「とても与えた」と「与えた」を合わせて45.5%とこちらも一定の効果はあったようですが、「まだわからない」と答えた人が45.5%いたほか、「与えなかった」と答えた方も9.1%いました。「与えなかった」については、2年生は既に就職が決まっており、1年生も就活を始めている学生が一定数いたからとも考えられます。

短大生は高校生と異なり、今回実施したプログラムについて、後輩にお勧めしたいかと聞いたところ、「とてもお勧めしたい」は0.0%で、「お勧めしたい」は54.5%があったものの、「わからない」と答えた人が45.5%いました。

どの学年で実施した方がいいかとの質問では、1年次と2年次がそれぞれ45.5%、3年次が9.1%でした。2年次としている学生が多いのは、本プログラムの実施が秋冬学期であり、かつ学ぶべき事項が多いので、就活後にゆっくりと取り組むことを期待する学生が多かったからかもしれません。

プログラムについては、大学の後期に当たる9/27から1/10まで、毎週1コマ(90分)を総計15コマ(出品作業等の自習時間分の1コマ含む)で実施しました。

  • 第1回 9/27 授業の趣旨・目的、メルカリ側自己紹介等オリエンテーリング
  • 第2回 10/4 「メルカリ教室」(フリマ・メルカリで実際の販売まで体験)
  • 第3回 10/11 、フリマアプリ「メルカリ」での販売の振り返り、「メルカリShops」講座(「メルカリShops」での売り方の学習等)
  • 第4回 10/18 班決め、ショップインタビュー、自社商品調査、ライバル商品調査
  • 第5回 10/25 コンセプト・販売戦略案の作成、「メルカリShops」でPRする長所、長所をPRするための説明文・写真の方針、SNSの運用方針、値段・商品ラインナップ検討
  • 第6回 11/01 事業者さまへの提案(プレゼン)、コンセプト・戦略の修正、商品のタイトル・説明文作成、写真撮影・SNS運用方法の検討
  • 第7回 11/08 薬機法・特商法等のEC関連の法律・ルールの説明、商品のタイトル・説明文等の作成
  • 第8回 11/15 マーケティング・デジタルマーケティングについて1、商品のタイトル・説明文等の作成
  • 第9回 11/22 マーケティング・デジタルマーケティングについて2、商品のタイトル・説明文等の作成
  • 第10回 11/29 商品のタイトル等の修正、「メルカリShops」の出品画面への反映、販売開始
  • 第11回 12/6 マーケティング・デジタルマーケティングについて3、売れ行き調査、出品戦略等の見直し
  • 第12回 12/13 お互いの班で意見交換、出品戦略等の見直し
  • 第13回 12/20 販売終了、最終回に向けてのまとめ作業
  • 第14回 1/10 最終プレゼンテーションの実施

 

初めての産学連携で、色々考えることが多く社会の大変さを感じた

短大生たちが、このプログラムを経験しての感想も一部共有しておきます。

  • 商品を販売することの難しさを学びました。普段「メルカリ」を使っていますが、販売という視点になると、どんな人がどのような検索方法で商品を探しているか?どのようなジャンルを選択すればより売上が上がるのか?等を考えて出店する事がとても難しかった。また、対面では年齢層や性別、来店回数などがわかるけれど、ネット販売ではそれがわからず、閲覧数といいね数、フォロワー数でしか確認できなかったのでとても難しく感じました。
  • モノを売るにはターゲット、商品説明、宣伝などさまざまに工夫をしないと売れない。また、売れなければ、なぜ売れないのかを検証、売り方の見直しが必要であることを学ぶことができた。
  • 企業側に入って売ってみて、一般アカウントとは違った本格的な感じが少し面白かった
  • 初めての産学連携で、色々考えることが多く社会の大変さを感じた。