4月からメルカリに派遣された愛知県、石川県、岐阜市の職員3人、感じたこと活かしたいこと(後編)

左から藤井 彩香、山口 由夏、小塚 星一郎

2024年4月から2025年3月まで、岐阜市、愛知県、石川県から職員派遣研修で来ていただいている藤井 彩香、小塚 星一郎、山口 由夏の3人に、メルカリに来て何を感じ、どんなことに困ったか、派遣元に戻って活かしていきたいかを語ってくれた対談の後編です。

後編では特にメルカリのバリューや自治体に持ち帰りたい文化について語ってくれました。

合わせて前編もご覧ください。

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メルカリ政策企画 小塚 星一郎(愛知県からの派遣研修 以下、小塚)> 話は変わりますが、メルカリはバリューが特徴的ですよね。4月にメルカリに来る前からバリューのことって知ってましたか?

【バリュー】

メルカリがミッションを達成するために大切にしている3つの行動指針

・Go Bold – 大胆にやろう

・All for One – 全ては成功のために

・Be a Pro – プロフェッショナルであれ

メルカリCorporate PR 山口 由夏(石川県からの派遣研修 以下、山口)> 派遣のお話をいただいた際に、県の人事の方からお聞きして、HPで見てみました。端的でわかりやすく、そして英語でかっこいいなと思いました(笑)。

メルカリ政策企画 藤井 彩香(岐阜市からの派遣研修 以下、藤井)> 岐阜市からメルカリに派遣研修で行っていた方から、メルカリのバリューについて少し聞いていましたが、実際にメルカリで働いてみると、社員全員がバリューに沿って、自発的に働いて大きな成果を挙げていると感じます。

小塚> 社員みんなに浸透しているのがいいですよね。覚えやすい短いフレーズでバリューを作っているのもそうですし、All Handsの場でバリューを体現してる人をGo Bold賞という形で表彰したりと、社員に浸透させることを大切にしていると感じています。

【All Hands】

All Handsとは、組織的な方針や制度の変更、新メンバーの紹介、社員の皆さんに知っておいてほしいお知らせを共有する会です。メルカリでは、毎週1回開催され、グループごとに全社員が参加しています。また、All Handsでの発表を聞きながらわいわい(Slack上でリアルタイムにコメントしたりリアクションつけたり)するのがメルカリ流です。

 

藤井> 岐阜市役所でも職員一人一人が、行動や判断に迷ったときに、メルカリのように共通のバリューのもとに一貫した意思決定をスピーディに行い、前進させることができれば、組織内でコンセンサスを取るのにも時間がかからないと思います。

小塚> それに賛同する人が増えるといいですよね。

藤井> 職員採用の募集の時からそういうことをやってもいいと思います。メルカリではバリューに惹かれ、共感し、働きやすさや働きがい、社会的なインパクトを求めて入社する方がとても多いと感じました!社内外にバリューを浸透させることによって、期待値ギャップがなくなり、エンゲージメントの高い社員が増えると思います。

小塚> バリューに惹かれて入社したって人は本当に多い!メルカリに来る前はIT企業でフルリモートワークということでITツールやDXなどについて学んで帰りたいと思っていたのですが、来てみると、ITツール以上にバリューがメルカリを形作っているんだなと思いました。メルカリのバリューの中身が自治体に合うかは別の話ですが、各自治体で職員が重要視すべきバリューがもっと明確になって職員が意識するようになるといいですよね。

山口> メルカリはミッションも大事にしていますよね。石川県にもミッションのようなものがあって、昨年、新たに策定した成長戦略の基本目標が「幸福度日本一に向けた石川の未来の創造」なんです。自治体の幅広い業務は、必ずしもすべてが成長戦略に基づくものではないですが、全庁的にも、また県民へもまだまだ浸透していないなと個人的に思います。

【ミッション】

メルカリが掲げる達成目標。メルカリグループ全員の手によって達成したいミッションとして、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」ことを掲げています。

小塚> メルカリは、ミッションと各チーム、各個人のOKR(Objectives and Key Results。目標と達成指標)が連続的に繋がっているのも凄いですよね。

藤井> 岐阜市も、「オール岐阜のまちづくり」、「対話による合意形成」、「一年勝負」、「こどもファースト」、「働き甲斐のある職場づくり」という5つの市政運営の基本方針のもと、さまざまな施策に取り組んでいますが、個人の目標を設定する際、基本方針に個々の業務を紐付けて考えられればよいと思いました。

小塚> 愛知県でも「あいちビジョン2030」という長期計画の中で中長期的な目標を掲げてはいますが、各チーム、各個人の目標がビジョンで掲げた県全体の目標ともっとつながると良いと思います。

藤井> 自治体では、人数も多く、目標や課題をトップから一職員まで共有することが難しいと感じます。

小塚> その点では、メルカリはAll Handsで経営陣の声を直接聞けたりと、経営陣との距離感の近さは感じますね。

藤井> そう思います!メルカリでは年齢や職位に関係なく、皆がフラットに意見を言い合える環境が魅力的に感じられます。また、一人一人を信頼して仕事を任せ、失敗を責めずに挑戦する姿勢を賞賛しているところが特に良いと思います。

小塚> 県庁でもフラットに意見を言い合えるといいですね。あとは、県庁でもAll HandsやLunch & Learnをやりたいですね。

藤井・山口> やりたい!

【Lunch & Learn】

ランチを食べながらのカジュアルな学びの場です。メルカリではオンライン、オフライン両方で社員が自主的に開催しています。社員個人が持つ専門的な知識やそれぞれのチームが行っている仕事などを社内で共有し、参加者はプレゼンを聞き、新たな知識について学んだり、意見交換をしたりします。

 

藤井

小塚> 私は特にLunch & Learnが県庁で実施できるといいなと思っています。県庁って部署を異動すると仕事の内容が全然違って戸惑ったりするので、Lunch & Learnみたいにカジュアルな感じで他の部署の仕事内容を知れるといいのかなと思ったりしますね。オンラインなら出先機関でも簡単に参加できますし。愛知県には「やりたい仕事挑戦制度」といって職員がやりたい業務を希望して選考に合格すれば異動できる制度があるんですが、それを募集する際に、例えば県税事務所が「県税徴収業務Lunch & Learn」をやって「募集してます!」ということが出来たらいいのではないかと思いました。希望して異動したのに「やっぱり別の部署に行きたい」というようなアンマッチが少なくなるかなと思います。

藤井> 自治体では、部署異動が転職のように感じられることがありますよね。Lunch & Learnを実施することで、自分の行きたい部署が明確になり、やりたい業務と意欲のある人がマッチすることで、市役所の士気も向上すると思います。

山口> そうですね、入庁して3年経ちましたが、他の課がどういう事業をしているかあまり知らないなという反省があって。学ぶ機会をつくれば、異動時の参考になるのはもちろん、普段の業務でも「ここに相談してみたらいいかも」というのがわかって、よりスムーズに業務が進んだり、新しい施策のアイデアが出たりと、きっと仕事が面白くなると思います。

小塚> 自治体に戻って本当にやろうと検討すると難しい部分も出てくるとは思いますが、やってみたいですね。役所でAll HandsやLunch & Learnをやるにしても、呼び方が変わって、話し方も固くなるような気がしますけど、出来ればフランクなコミュニケーションでやりたいですね。

山口> 話しているところにスタンプをいっぱい押して、画面上で盛り上げたいですね。私はミーティングでスタンプ等の反応をもらえると、とても嬉しいです。

藤井> PRチームって、ミーティングも政策企画チームよりさらにフランクな印象があります。

山口> ミーティング中に拍手やハートのスタンプなどで反応を送りあっています。とてもあたたかい雰囲気で進んでいくので、メンバーと直接会う機会は少なくても、働く上での安心感が大きいです。

藤井> 働く上で、チーム内の心理的安全性が高いことは非常に重要ですよね。

小塚> さて、そろそろ終わりになりますが、最後に、1年間のメルカリでの目標を一言ずつ言っていただいてもいいでしょうか。ちなみに私の目標は、具体的ではないですが「Go Boldを体現すること」です。Be a Pro、All for Oneは役所に帰ってからも求められると思いますが、Go Boldが良しとされるのはこの1年の間だけだと思うので、それを楽しみたいと思います。

藤井> 岐阜市からの派遣は私を含めて6人目ですが、20代女性は初めてです。これからの時代に合った多様な視点と考え方を習得し、その経験を岐阜市役所に持ち帰り、新しい提案や改革をしたいと思っています。そのためには、私も「Go Boldでいること」は大切にしたいです。数多くのトライアル・アンド・エラーを繰り返し、失敗から学びを得ることを体感したいと思います。

山口> 私のメルカリへの第一印象が、皆さんがとてもいきいきと、楽しそうに働いているということで。そこから「県政にわくわくできる人を増やしたい!」という新たな目標ができました。先に話した県の成長戦略は、職員が仕事で迷ったときに立ち返る指標であったり、県民が県政に興味を持つきっかけになると考えていて。それをどう発信し浸透させていくかは、まさにPRの分野だと思うので、1年間しっかり学びたいです。

小塚> とてもBoldな目標を立てましたね!お互い頑張りましょう。

左から山口、藤井、小塚

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プロフィール

小塚 星一郎(Seiichiro Kozuka)

メルカリ政策企画。2014年愛知県庁入庁。名古屋西部県税事務所、子育て支援課、国際課で勤務。直近の国際課においては愛知県の国際関係分野の戦略・施策を示す「あいち国際戦略プラン2027」の策定に関する業務などに従事。2024年4月から2025年3月までメルカリに派遣研修中。経営戦略室政策企画に所属し外部とも連携した「メルカリ」の安心・安全に関わる業務を担当。

藤井 彩香(Sayaka Fujii)

メルカリ政策企画。2020年岐阜市役所入庁。上下水道事業部、市長公室で勤務。直近の市長公室秘書課においては、岐阜市長の出張手配、交際事務及び市政功労表彰をはじめとする各種表彰の事務に関する業務等に従事。2024年4月から2025年3月までメルカリに派遣研修中。経営戦略室政策企画に所属し、循環経済への移行におけるリユース・CEコマース推進とトレンド作りに関わる業務を担当。

山口 由夏(Yuka Yamaguchi)

メルカリCorporate PR。2021年石川県庁入庁。健康推進課にて、指定難病や小児慢性特定疾病に罹患している方への医療費助成をはじめとする難病対策に従事。2024年4月から2025年3月までメルカリに派遣研修中。Corporate PRチームにて、ESG施策やI&Dに関するプロジェクトに携わる。

写真:政策企画 天野 宏(Hiroshi Amano)