メルカリ、東京大学エコノミックコンサルティングと共同開発した「メルカリ物価・数量指数」を発表

株式会社メルカリは、東京大学エコノミックコンサルティング(UTEcon)並びに同社取締役、東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授 渡辺安虎氏と共同で、メルカリアプリ内取引における価格・数量変動を指数で可視化する「メルカリ物価・数量指数」を開発し、情報の提供を開始しました。

これに伴い、「メルカリ物価・数量指数」の解説及び提供の狙いについて説明するイベントを5月16日(月)に開催しました。

 

「メルカリ物価・数量指数」とは

メルカリ物価・数量指数とは、「メルカリ」内の月・カテゴリごとに価格指数と数量指数を算出して、基準年月(現在は2018年1月)と比較した現在の市場の状況を価格と数量それぞれで示すものです。

「メルカリ」内には、大カテゴリ・中カテゴリ・小カテゴリと3つのカテゴリがあります。

小カテゴリ(例:レディース⇒靴⇒モカシン)内については、現時点で質・構成比等の調整が困難なので、上下2.5%の外れ値を除き平均価格・平均数量を算出しています。

中カテゴリ(例:レディース⇒靴)および大カテゴリ(例:レディース)では、小カテゴリの売上構成比を用いたTörnqvist指数を算出しています。

一次流通市場は市場からのフィードバックを受けて価格を少しずつ改定するのに対し、二次流通市場は物価動向が素早く反映されます。

今回の指数の大きな特徴は、「メルカリ」内取引という二次流通市場の動きを反映する点にあるので、より敏感に消費者の価値および物価動向を確認することができると考えられます。

 

メルカリが想定している活用方法

メルカリが想定している利用例としては、大きく2つ挙げられます。

①流通における需給バランスの観測と物価の変動

「メルカリ物価・数量指数」では、取引数量と価格がどのような変動を示しているかによって、供給と需要のバランスの動向を見ることができます。

例えば価格が上昇して数量が増加している場合には需要が増えていると考えられます。

供給側の行動の調整は難しいですが、「メルカリ」のような二次流通の場面では、供給側も出品者であるので、出品者の方の行動により需給バランスをみることができます。

またカテゴリレベルにおいて、多角的に市場の状況について考察が可能となります。

②トレンドの可視化

小カテゴリの指数により、各小カテゴリごとの消費トレンドやその変化に関する情報を得ることができます。

小カテゴリに属する特定の財についてトレンドを迅速に把握したいメディアや、企業の商品戦略立案担当者、マーケティング研究者による活用が期待できます。

また小カテゴリごとの数量指数の変化の大きいものから、個別の商品等を「メルカリ」内で検索することで、具体的な消費トレンドの把握が可能となります。例えば、エスプレッソマシーンを検索することで、どんな商品が人気なのかを実際の取引から確認することができます。

 

パネルディスカッション

メルカリ物価・数量指数の概要と活用方法についての説明後、メルカリ吉川がモデレーターを務め、渡辺氏、ニッセイ基礎研究所生活研究部 上席研究員 久我氏とのパネルディスカッションを実施しました。二次流通市場における消費動向を把握する必要性や、今回のデータの今後の活用の可能性について、3人で議論がなされました。

メルカリ物価・数量指数の今後の可能性について、久我氏は「日本では長年、企業が価格転嫁できないことが問題になっているが、企業の値付けに今回のデータが示唆を与える可能性を秘めていると思う。」と述べられていました。

渡辺氏は、毎月発表される今回のデータは、コロナのようなリアルタイムの情報が取得できない状況で、社会にとって必要なものを示すことができるので、「政策的な観点でも活用できると考えられる。」と指摘しています。

メルカリ吉川は、「政府の関係機関が物資の状況を把握したいなどの理由でデータを活用するのであれば、我々は喜んで提供させていただく。メルカリという二次流通市場から得られるデータを社会にオープンに提供していきたい。」とデータの活用に意気込みを示しております。

登壇者のご紹介

東京大学エコノミックコンサルティング取締役/

東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授 渡辺安虎

ニッセイ基礎研究所 生活研究部 上席研究員 久我 尚子