メルコインが暗号資産取引サービスを提供する意義(記事提供元:株式会社メルコイン)

メルカリグループでは、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行う株式会社メルコイン(以下、メルコイン)にて、暗号資産取引サービスを提供しています。

今回は、このメルコインが暗号資産取引サービスを運営する背景や意義について、政策・規制動向を交えつつ紹介していきたいと思います。

 

株式会社メルコインについて

メルコインは、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うことを目的に、株式会社メルカリの子会社として2021年4月28日に設立され、2022年6月17日付で、資金決済に関する法律に基づく暗号資産交換業者としての登録を行っています。※暗号資産交換業者(登録番号:関東財務局⻑第00030号/登録日:2022年6月17日)

2023年3月9日からは暗号資産交換業を開始し、メルカリアプリ(以下、「メルカリ」)内でビットコインの売買ができる新サービスの提供を開始しました。

ビットコインをメルカリの売上金・無償ポイントで購入でき、「メルカリ」内で申込から売買まですべて完結ができるという今までにない暗号資産の購入体験により、ビットコイン取引サービス利用者数が3か月強で50万人※1を突破しました。

※1: すべてのお客さまが申込可能となってから(2023年3月16日)「メルカリ」のビットコイン取引サービスの口座開設者数

 

ビットコインとは

現在、メルコインで取り扱っている暗号資産はビットコインのみです。

そもそもビットコインとはどのようなものなのでしょうか。

ビットコインとは、物理的に存在しないインターネット上の通貨である暗号資産の一つです。

2008年に「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」という論文が「サトシ・ナカモト」という人物の名義でインターネット上に公表され、ビットコインの構想が発表されました。

https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

その翌年2009年にはブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳技術を活用した最初の暗号資産、ビットコインがリリースされました。

ブロックチェーンはネットワークに参加する者が誰でも確認することができる台帳であり、そこに参加する者たちが取引の正当性を検証し合う仕組みを有しています。分散的であること、透明性と耐改ざん性があることが大きな特徴である技術です。

ビットコインは法定通貨等による価値の裏付けがなく、国家や銀行等の中央管理者を介さずにネットワークに参加する者同士での価値の保有や直接的な価値の移転を行うことが可能です。近年ではビットコインの価値の増減を利用した投機が目立ちますが、中央管理者を介さないデジタル通貨として保有・移転(送金、決済等)が行えるという機能を持っています。

 

メルコインが暗号資産取引サービスを提供する意義

メルカリグループは設立10周年を機に、グループミッションを「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」に改めました。物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値を循環させることで、誰もがやりたいことを実現し、人や社会に貢献するための選択肢を増やし、テクノロジーの力であらゆる人の可能性が発揮される世界を実現することを目指しています。

メルコインはメルカリグループの一員として「あらゆる価値」の一つの形態である、法定通貨ではないお金の「暗号資産」、物理的なモノではない「デジタル資産」等を、テクノロジーを駆使して簡単に交換できる世界の実現を通じて「あらゆる価値」を循環させる役割を担っています。

しかし、暗号資産の売買や決済をしたことがあるという方はまだ少なく、日本国内の暗号資産交換口座は約680万口座※2であり、現状では一部の方のみが利用しているサービスです。

メルコインでは、いつもご利用いただいている「メルカリ」内で簡単にビットコインの売買を可能にすることにより、暗号資産取引を始めるきっかけを作り、より多くの方に暗号資産に触れる機会を提供することで、ビットコインをより身近に感じていただきたいと考えています。

実際に、6月28日時点でご利用いただいてるお客さまの79%は、暗号資産取引歴「なし」と回答されており、多くの方が「メルカリ」で初めての暗号資産取引を体験※3しています。

※2:一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)統計情報より(2023年5月2日更新データ参照)。直近1年間(2022年4月〜2023年3月)の月間口座増加数の平均は約70,000口座。(一般社団法人日本暗号資産取引業協会 暗号資産取引月次データ(2018年9月〜2023年3月)

※3: 「メルカリ」ビットコイン取引サービス申し込み時のお客さまアンケート調査結果(2023年6月28日時点)。

メルコインでは今後「メルカリ」内でのお買い物に、ビットコインで決済できる機能の導入を検討しています。

実際にビットコインを決済手段として利用できるようにすることで、日本国内の暗号資産取引を習慣化し取引量を増加させ、暗号資産取引のさらなる社会実装の推進をしていきたいと考えています。※4

※4:IVS Crypt 京都2023 「トップランナーと激論する、暗号資産交換所の現在地と未来」における㈱メルコイン代表取締役CEO中村の発言より。 

メルカリグループでは、お客さまに安心・安全にサービスをご利用いただくために、グループ横断で安心・安全な体験を構築する専門チームを構成し、セキュリティ対策の継続的な強化に取り組んでおり、その知見を暗号資産事業においても活用しています。

新たに、メルカリグループの各種サービスで今後実装を予定する安心・安全なパスワードレスの生体認証(FIDO認証の仕様に基づく)を、メルコインで初めて導入し、より堅牢なユーザー認証を実現しました。もちろんお客さまの資産は法令等を遵守しメルコインが分別管理し適切に保護をしています。

使わなくなったモノを売って得た売上金を使ってビットコインを購入することで、不要品が将来の資産となる体験を通じ、あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」ことが、メルコインが暗号資産取引サービスを行う大きな意義です。

 

暗号資産を巡る政策・規制動向

暗号資産に関する政策・規制については、今年の5月に自民党のデジタル社会推進本部の「web3プロジェクトチーム」から、「web3ホワイトペーパー〜誰もがデジタル資産を利活用する時代~」が提言され、岸田総理に受理されました。

https://storage.jimin.jp/pdf/news/policy/205802_2.pdf

6月には「経済財政運営と改革の基本方針 2023」(いわゆる骨太の方針)及び「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」が閣議決定され、暗号資産等を含むブロックチェーン技術を基盤としたweb3.0の推進に向けた環境整備等についもて盛り込まれています。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2023/2023_basicpolicies_ja.pdf

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf

一方、2022年は海外において大手の暗号資産取引所等が経営破綻し、多くの顧客資産が保護されない等の事態が発生したことで暗号資産業界は「冬の時代」を迎えたと言われていました。

しかしながら、日本では過去に発生した暗号資産流出事件等から、厳格な顧客資産の分別管理が資金決済法によって規定されており、昨年の海外事業者の破綻等を踏まえた対策も含めて金融庁では「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)」(16 暗号資産交換業者関係)の一部改定とパブリックコメントの募集が行われました。

また、2023年6月1日の改正資金決済法施行により、法定通貨を裏付けとするステーブルコインの国内発行も可能となり、日本国内ではビジネスの推進を踏まえたルール整備が進み始めています。

7月にはアジア最大級のweb3国際カンファレンスが日本で開催される等、これまでの「冬の時代」とは異なる様相を見せています。

「暗号資産業界の苦難を幾度も乗り越えてきたわが国だからこそ、web3の計り知れない将来性を、説得力を持って世界に説くことができる位置にいる」とweb3ホワイトペーパーでも述べられているように、日本が今後の暗号資産業界を牽引できる可能性があります。

メルコインも国内の暗号資産利用の裾野の拡大を通じて、暗号資産業界の発展に寄与していきたいと思います。

(松橋 智美)

 

※本記事は、株式会社メルコインの暗号資産取引サービスの内容に一部触れている箇所があり広告・宣伝に該当するため、一般社団法人日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が定める「暗号資産交換業に係る勧誘及び広告等に関する規則」に則り、以下注意事項を記載しております。

〈注意事項〉

  • 暗号資産は、本邦通貨又は外国通貨ではありません。暗号資産は、特定の国家及びその他の者によりその価値を保証されているものではありません。
  • 暗号資産取引は、取引対象である暗号資産の価格の変動により損失が生ずるおそれがあります。 
  • 暗号資産の売買に関する手数料は無料ですが、スプレッド(取引コスト)を含めた金額がお客さまへの提示価格になります。
  • 暗号資産の移転の仕組みの破綻等により、暗号資産の移転が不可能となり、暗号資産の価値がゼロとなる可能性があります。 
  • その他リスク等の詳細は、暗号資産取引説明書  をご覧ください。
  • 暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済のために使用することができます。
  • 当社が管理する秘密鍵を紛失したり、第三者に悪用された場合、お客さまが持つ暗号資産が失われ、お客さまに損失が生じる可能性があります。
  • 当社が破綻した場合には、お客さまの資産を返還することができなくなり、お客さまに損失が生じる可能性があります。
  • 暗号資産取引を開始される前に暗号資産取引に伴うリスクについて、十分に理解し、ご納得されたうえで、お客さまご自身の責任と判断において本取引を行っていただきますようお願いいたします。

株式会社メルコイン
暗号資産交換業者 関東財務局長 第00030号
加入協会:一般社団法人日本暗号資産取引業協会