第4回「マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード」を開催しました

6月19日に、メルカリでは第4回「マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード(以下、アドバイザリーボード)」を開催しました。この会議は、フリマアプリ「メルカリ」が、メルカリが策定した「マーケットプレイスの基本原則(以下、基本原則)」に沿って運営されているか、また、この基本原則そのものに見直しが必要ないかを外部有識者に議論していただく場で、2021年から継続的に開催しているものです。

 

「マーケットプレイスの基本原則」とは?

「メルカリ」は、多様で自由なマーケットプレイス創りを目指しています。このためには、お互いの価値観や立場を尊重することを前提としながら、参加する全ての人の拠り所となるような基本的な考え方が共有されていることが重要です。こうしたことをまとめたものが「基本原則」になります。具体的な個々のルールを法律に例えると、基本原則は憲法に相当するものと言えます。

メルカリがこの基本原則を策定した背景には、2020年初頭からのコロナ禍における大きな社会変化がありました。特に、マスクの不足に代表される物資の需給バランスの変化により、「メルカリ」の運営では難しい判断が求められるケースが多く発生しました。そうした中、個別の対策・判断に対して「なぜそうした対策・判断を行うか」の拠り所となる考え方・原理原則を整理する必要性が高まりました。

こうした状況を受け、メルカリでは、企業倫理、経済学、ESG等の幅広い分野の外部有識者の方からなる有識者会議を設立し、「メルカリ」のようなマーケットプレイスの社会的な価値は何か、という点まで立ち返って議論いただき、「基本原則」を策定しました。

以来、メルカリでは「安全であること」「信頼できること」「人道的であること」の3つを柱とする基本原則に基づき、より良いマーケットプレイスを目指して運営を続けています。

 

第4回「マーケットプレイスのあり方に関するアドバイザリーボード」

第4回となる今回のアドバイザリーボードでは、経済学や情報法政策を専門とする学識者に加え、「メルカリ」のお客さまでインスタグラマーの方にも参加いただき議論しました。

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マーケットの多様性と自由を保ちながら、安全して取り引きいただくためのルールを作り、運営することは簡単なことではなく、社内で判断に迷う事例も出てきます。今回のアドバイザリーボードでは、そうした判断に迷った事例について、具体的な商品を取り上げながら議論いただくことで、基本原則に基づく商品の扱いに関する考え方を改めて整理をすることができました。

一方で、すべてのルールが基本原則に基づく論理のみで決定できるものではありません。基本原則だけでは決めきれないものをどう判断していくか、社内の意思決定プロセスについても、専門家の立場から意見をいただきました。

こうした議論を踏まえ、メルカリでは出品物のルールを見直すとともに、今後のルール作りの仕組みについても検討を進めています。

また、今回のアドバイザリーボードでは、「メルカリ」上で海外のお客さまとの取り引きが広がっていることを紹介し、「メルカリ」が国際的なマーケットプレイスを目指すうえで基本原則を見直す必要がないか、という観点からも議論が行われました。

今回の議論では、基本原則の見直しは不要との意見で一致しましたが、今後も「メルカリ」のサービスの拡大や、社会情勢の変化に伴い基本原則そのものに見直しの必要がないかという点は、引き続き検討をしていきます。

 

お客さまの目線から見た「メルカリ」のルール作り

今回のアドバイザリーボードでは、新たな試みとして「メルカリ」の情報をインスタグラムで発信しているインフルエンサーのさっこさんに、お客さまの目線から議論に参加していただきました。

さっこ@メルカリ知恵袋(@s_mercari_o)

お客さまの視点からの率直な意見として、

  • 何を出品していいのか、ダメなのかわかりやすく示してほしい。
  • メルカリがこういった議論をしていることを知らなかった。議論の中身をかみ砕いて利用者に伝えるべき。

というように、お客さまへの情報発信の部分でご意見をいただきました。

「メルカリ」をより良いマーケットプレイスにしていくためには、お客さまのみなさまのご理解が不可欠です。メルカリの安心・安全に向けた取り組みについてみなさまにご理解いただけるよう情報の発信を行っていきます。

また、会議開催後には、さっこさんからご自身のインスタグラムでアドバイザリーボードへの参加についてご報告いただきました。

アドバイザリーボードについて紹介するだけでなく、議題にあがった商品に関して意見を募集してていただき、お客さまの生の意見を聞く非常に貴重な機会となりました。

 

基本原則、アドバイザリーボードの今後

メルカリでは、今後とも、基本原則の3つの柱「安全であること」「信頼できること」「人道的であること」に則り、より良いマーケットプレイスを創っていきます。また、アドバイザリーボードの開催を通じて、社会情勢や「メルカリ」のサービスが変わっていく中で、基本原則の考え方や取り組みに見直しが必要ないか検討を続けていきます。

また、メルカリでは、基本原則を「メルカリ」だけでなく、インターネット上にある様々なマーケットプレイスにも参照いただくことで、業界全体で安心・安全なマーケットプレイスの利用が広がればと考えています。今回のアドバイザリーボードの開催についても、健全なマーケットプレイスを目指す取り組みの1つとして、ご参考としていただければ幸いです。

(小塚 星一郎)