メルカリと「落とし物クラウドfind」、鉄道や商業施設などの落とし物をリユースする実証実験を開始

メルカリは、「落とし物クラウドfind」を提供する株式会社findと連携し、findが提携する鉄道会社や商業施設で拾得された落とし物のうち、法律で定められた保管期間を過ぎ、各企業が所有権を取得したものを「メルカリShops」にて販売する実証実験を開始しました。

これまでメルカリは自治体や企業との連携を通じてリユース推進に取り組んできましたが、落とし物を対象としたリユースの取り組みは今回が初めてです。

 

実証実験開始の背景

警察庁によると、2023年度、全国の警察に届けられた落とし物は約2,979万点であり、統計を取り始めた1971年以降で最も多くなっています。

鉄道会社や商業施設などで拾得された落とし物は、遺失物法に則り適切に保管・管理され、落とし主が現れた場合は返却されます。しかし、落とし主が見つからないまま、法律で定められた3ヶ月の保管期間が過ぎた落とし物については、廃棄物として処理されており、なかには十分に使用可能な日用品や新品同様のアイテムが含まれています。

また、大手百貨店では1店舗あたりで毎月約600件の落とし物を破棄しており、その対応に毎月約10時間を要するなど、落とし物を拾得した施設にも、物の保管や廃棄に関して多くの負担がかかっています。

これらの課題から、まだ使えるにもかかわらず捨てられている落とし物をリユースするため、findと連携し、鉄道会社や百貨店などfindのパートナー企業とともに、「メルカリShops」のアカウントで販売する実証実験を行うことになりました。

 

実証実験の概要

・期間

2025年2月20日(木)から2025年8月31日(日)

・内容

持ち主が見つからないまま、法的な保管期間が経過し、商業施設などへ所有権が移った落とし物のうち、施設で廃棄予定のものをfindが引き取ります。その後、findにて検品作業を行い、findの「メルカリShops」アカウントにて販売します。

「メルカリShops」での販売で得た収益は、「メルカリShops」とfindの手数料を除き、鉄道会社や百貨店など落とし物を管理している施設へ還元されます。

find shop※出品の際は、状態が良い落とし物の中でも個人の特定が出来ないものに絞ります。

※ブランド物などは、専用の業者を介し品質の状態の確認や鑑定を行った上で出品いたします。また、電気機器は使用テスト実施済みのもののみを出品いたします。

 

取り組みへの参画企業さまからのメッセージ

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  • 株式会社find

株式会社findは、「落とし物が必ず見つかる世界」を目指し、落とし物管理の最適化に取り組んでいます。私たちはこれまで多くの企業と連携し、落とし物の返却率向上に努めてきました。しかし、法定保管期限を過ぎた落とし物が破棄されている現状を目の当たりにし、なんとか活用できないかと模索してきました。

この度、メルカリさんとのパートナーシップを通じて、持ち主が見つからなかった落とし物に新たな価値を生み出し、サステナブルな循環を生み出す取り組みを実現できることを大変嬉しく思います。

落とし物の適切なリユースを推進することで、施設の負担軽減に貢献するとともに、メルカリさんの理念である「捨てるをへらす」で廃棄物削減にも寄与できればと考えています。

この取り組みが、落とし物管理に関わる多くの企業・施設の皆さまにとって、より良い選択肢となるよう尽力してまいります。

  • 京王電鉄株式会社

京王電鉄は、findの「落とし物が必ず見つかる世界へ」という経営ビジョンに共感し、初の導入企業として遺失物業務の効率化を共に進めてまいりました。

今回の落とし物をリユースする新たな取組みにも協力し、社会におけるサステナビリティの向上に寄与することを目指してまいります。

本実証実験では、京王電鉄の駅や施設で拾得される遺失物で、法定保管期間を経てリユースが可能となった中から慎重に選別した物について、次の持ち主へバトンタッチするお手伝いをしたいと思っています。

この一連の流れはリサイクルの促進と、京王沿線や地域社会に貢献できると期待しています。京王電鉄は、今後も地域社会に貢献し、持続可能な未来を築くためのサポートを続けてまいります。ぜひこの取り組みをご理解・ご支援いただければ幸いです。

  • findパートナー百貨店

当百貨店では、これまで各店舗で月平均600点に及ぶ落とし物の処分に多大な手間と人件費を費やしてまいりました。今回、find社のSDGsプロジェクトを通して、未回収の落とし物を有効活用し、持続可能な方法で販売する新たな取り組みができて大変嬉しく思います。

このプロジェクトにより、落とし物の適切な管理と処分が効率化されるとともに、環境負荷の軽減にも寄与できることを考えています。

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今後に期待すること 〜リユースの輪をさらに広げるために〜

今回の実証実験は、毎日多くの落とし物が破棄されている現状を踏まえ、管理コストを削減し、「捨てる」をへらすとともに、拾得者の善意を未来につなぐ仕組みとして構築されました。2025年2月20日のShopsオープン後、短期間でフォロワー数が急増し(2月25日時点で、フォロワー数3,000を超えています)、お客さまからの関心と期待の高さがうかがえます。

メルカリは、落とし物のリユースを通じて「捨てるをへらす」取り組みを推進し、サーキュラーエコノミーの実現を目指します。また、リユース活動により多くのお客さまが参加できる環境を整え、リユースの価値を再認識していただくことで、持続可能な社会づくりを後押ししていきます。

(藤井 彩香)