岐阜市役所の職員を対象にAI活用研修を実施~AIを使いこなし、業務の効率化・高度化を実現する第一歩~

2025年11月5日、岐阜市役所にてメルカリ政策企画/AIガバナンスチームの松橋智美が講師を務め、「AI利活用推進研修」を開催しました。この研修は、地方自治体におけるAI活用の可能性を理解し、自身の業務にどう取り入れるかをAIに触れながら具体的に考えることを目的としており、包括連携協定に基づき6年間に亘ってメルカリに職員の派遣研修を行った岐阜市とのご縁で実施したものです。今回は実際に研修で利用した資料も交え、当日の様子をレポートします。

 

なぜ今、自治体でAIなのか

生成AIの登場により、仕事のあり方そのものが大きく変化しています。特に2040年に顕在化するとされる人手不足時代において、AIは地方自治体の運営を維持・発展させるための鍵となります。

また、AIを日常的に使いこなす“AIネイティブ世代”がこれから市役所に入庁する時代を見据え、AIの活用は職員の働き方改革のみならず、次世代の人材確保にも関わるテーマとなります。

 

メルカリの取り組みの紹介:AI-Native Companyへの進化

今回の研修は、第1部では、民間企業におけるAI活用を紹介しました。すでに民間企業ではAI活用が本格化しています。メルカリでも2025年に「AI-Native」を掲げ、全社員がAIを日常的に活用する体制を整備しました。また、「AI Task Force」を発足し、全社的な業務変革を推進しています。

AIの利活用により、メルカリでは社員の約95%がAIツールを利用し、プロダクト開発効率も大幅に向上。契約書チェックや議事録作成といった定型業務の自動化に加え、企画立案やデータ分析などの高度業務でもAIが活用されています。

研修では、実際に業務でどのようにAIを活用しているか、AIツールのデモンストレーションを行いました。

 

自治体におけるAI活用の可能性

第2部では、自治体におけるAI活用の事例を紹介しました。横須賀市が運営する「自治体AI活用マガジン」から、各自治体での活用事例や検討事例を通じて、自治体でもAIが業務効率化だけではなく、「サービスと政策の質を高めるパートナー」になりつつあることを共有しました。

また、岐阜市役所でのAI活用実態についてあらためて共有し、職員アンケート結果から、「AI活用の最大の壁は“自分の業務での使い方が想像できないこと”」ではないかという仮説を立て、第3部ではその壁を乗り越えるきっかけをつくる個人ワークを実施しました。

 

ワークショップ:AIと一緒にAI活用アイデアを考える

第3部では、職員が実際に岐阜市で導入しているAIツールを使い、自分の業務を題材にAI活用のアイデアを出すワークショップが行われました。

参加者はまず、自身の主な業務を3つ書き出し、それをAIと一緒に業務タスクを分解します。その業務タスクからさらに「AIが支援できる部分」をAIツールに提案してもらい、「明日からできること」「半年後に目指すこと」を整理しました。

 

明日への第一歩:AI利用を“じぶんごと化”する

「AIへの心理的なハードルを下げ、まずは日常業務の中で試してみる」、「今回の体験を組織に広めること」がAI活用の定着には必要です。

今回の研修は、参加者の事後アンケート結果から約50名の参加者全員が「満足」と回答いただき、研修によってAIに対するポジティブな変化が9割以上を占めるなど、岐阜市役所がAI活用への第1歩を踏み出すきっかけとなりました。メルカリでの取り組みが地方自治体におけるAI活用の一助となれば幸いです。

メルカリは、引き続き様々な官民のパートナーとの協働・協力を進めていきます。

(松橋 智美)