オンライン本人確認が古物営業法に導入

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 事業者がユーズド品やリサイクル品など中古品(古物)を買い取ろうとするときは、売ってくれる人の本人確認を行うことが必要です。これは、古物営業法(昭和24年法律第108号)で決まっていて、盗品の流通を防止するための抑止効果と、万が一盗品が流通したことがわかった場合に追跡を可能にするためと言われています。

最近は、スマホアプリでも買取サービスを展開する企業が増えてきていますが、本人確認手続きのところで利用をやめてしまうお客さんが少なからずいました。というのも、これまでの制度では、オンラインで本人確認を完結することができなかったためです。事業者と売主が直接会わずに古物の受け渡しが行われる場合(”非対面”と警察では言っています)、身分証明書等のコピーの提供を受け、そこに記載の住所に転送不要郵便を送り到達を確認し、かつ、本人名義の銀行口座等に入金する、などの本人確認を行う必要があります。が、この方法だと、転送不要郵便のところで少なくとも数日はかかってしまい、せっかく利用する気になっていたお客さんの意欲も郵便が届くまでに削がれてしまうということが多々起こっていました。

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警視庁HP(http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/tetsuzuki/kobutsu/kaisetsu/hitaimen.html)より

 

欧米ではこのような転送不要郵便を用いた本人確認は一般的ではなく、以前よりオンライン完結する方法が認められていました。また、そもそもこの転送不要郵便を用いた本人確認というのが転居を頻繁に行う現代のライフスタイルの下でどこまで意味があるのかといった声も以前からあったところです。そのような中、昨年警察庁で開催された「古物営業の在り方に関する有識者会議」の報告書において「古物商によるインターネット等を利用した非対面取引における本人確認方法については、現行の方法に加えて、古物競りあっせん業者等とのイコールフッティングの観点から、その実態を踏まえつつ、新たな方法を検討していくべきである。」との提言がなされるなどして、今回本人確認方法が見直されることになりました。

警察庁の説明資料によると、新たな制度では「相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の申出を受け、古物商が提供するソフ トウェアを使用して、相手方の容貌の画像情報(当該ソフトウェアを使用して撮影をさせたもの)の送信を受けるとともに、次のいずれかの措置を講ずることによる相手方の確認の方法を規定することとする。

(ア) 古物商が提供するソフトウェアを使用して、相手方の写真付き身分証明書等の画像情報(当該ソフトウェアを使用して撮影をさせたものであって、住所、氏名 及び年齢又は生年月日、写真並びに当該写真付き身分証明書等の厚みその他の特徴を確認することができるもの)の送信を受けること(帳簿等又は電磁的方法による記録とともに当該写真付き身分証明書等の画像情報を保存する場合に限る。)。

(イ) 相手方の写真付き身分証明書等に組み込まれた半導体集積回路に記録された住所、氏名、年齢又は生年月日及び写真の情報の送信を受けること。」となりました。

ざっくばらんに言うと「相手方の容貌」+「その人の写真付き身分証明書等」の画像をリアルタイムで撮影させて確認を行うことで、本人確認を完結させることが可能になります。これにより、これまで転送不要郵便に要していた期間は必要なくなり、これまで脱落していた多くのお客さんのサービス利用につながるものと期待されます。

これまでは技術的に難しかったためアナログでやるしかなく利用者にも不便をかけていた制度が、新しい技術によって安全性と利便性の両方を向上させていきます。行政も利用者も事業者もみんなにメリットのある制度改正は2018年10月24日に施行されます。

P.S. 犯収法でも同様の改正が行われており、そちらも早期の施行が待ち望まれます。

(城 譲)