岸田総理より感謝状授与ー政府の 『ジョブ型人事指針』に取組事例を提供し、労働市場改革に貢献

9月5日、総理大臣官邸でジョブ型人事推進会議が開催され、メルカリから、取締役会長の小泉文明が出席しました。本会議では、既にジョブ型人事を導入した企業16社の代表者と、岸田総理との意見交換が行われました。

また、新しい資本主義実現会議が8月28日に公表した『ジョブ型人事指針』に取組事例を提供し、三位一体の労働市場改革の推進に貢献したことに対して、岸田総理より感謝状が授与されました。

 

政府によるジョブ型雇用の推進

日本政府は、日本の賃金構造と労働市場の課題として、若い世代の賃金が低く、結婚や子育てに悪影響を与えているおそれがあること、若い世代の終身雇用に対する考え方が急速に変化していることなどを挙げています。

能力ある若手や労働意欲のあるシニア層に、労働機会を提供できるようにするとともに、人手不足が目立つ現場でノウハウのある労働者が高い賃金を得られる構造を作り上げることを掲げ、労働市場改革として、ジョブ型人事制度の導入や労働移動の円滑化、リ・スキリングによる能力向上を進めることで、日本企業と外国企業との賃金格差や性別・年齢による賃金格差を縮小し、転職による賃金増加者の割合を高めることを目指しています。

 

メルカリの取り組み

出典:首相官邸HP ジョブ型人事推進会議

メルカリは、「メンバーの多様性は創造力の源泉」と考えており、多様な人材が活躍できる環境を整備しています。例えば、2018年にはインド工科大学の卒業生29名を含む、44名の外国籍社員を一挙に採用するなど、積極的なグローバル人材の獲得に努めてきました。また、外国籍社員の増加やリモートワークの普及など、働き方が多様化する中で、社員一人一人が共通の価値観を持てるようにするため、組織文化を明文化した「Culture Doc」を策定しています。

従来の人事制度は、年功序列や暗黙のルールが多く、外国籍の社員にとっては非常に分かりにくいものであったため、メルカリでは、グローバルテック企業をベンチマークに人事制度も変革してきました。具体的には、新卒からCEOまで一貫した人事制度を導入し、会社のバリューに基づいた成果と行動を評価し、報酬に反映させる仕組みを構築しました。昇格・昇給のサイクルは半年ごとに実施し、能力があれば短期間のうちに昇格が可能であるため、例えば、新卒入社後 29 歳でグループ会社の「株式会社メルコイン」CEO に就任するなど、実際にごく短期間で等級を上げたケースもあります。このような納得感と透明性の高い人事制度設計によって、従業員一人ひとりがバリューを体現することを後押ししています。

 

多様な人材が活躍できる社会にむけて

出典:内閣官房HP ジョブ型人事推進会議 各社のジョブ型人事の取組について

日本では人材不足が深刻化しており、特に高度なIT人材の不足は経済成長の足かせとなりかねません。先日のインド・モディ首相訪問においても、日印間の人材交流活性化の重要性を改めて認識したところです。(参考:額賀衆議院議長のインドオフィス訪問 モディ首相との会談  メルカリがスタートアップとしてインド人エンジニア採用で果たす役割

当社では海外から優秀な人材を獲得するにあたって、ミスマッチを防ぐため長期有給インターンシップを実施しています。しかしながら、ビザの種類によっては居住者用の銀行口座開設が難しいケースがあり、インターン参加者にとって障壁となっています。これは、彼らが日本での生活を円滑に送る上で、また、当社が優秀な人材を確保する上で、大きな課題と言えます。

また、2030年までに558万事業所で人手不足となる中、外国人材だけでなく、女性、若年層、高齢者など、多様な人材が働ける社会をつくることも重要です。メルカリでは、個人のライフスタイルに合わせ、短時間から柔軟に働ける空き時間おしごとサービス「メルカリ ハロ」を2024年3月に開始しました。

働き手のみなさまは、自身のライフスタイルに合わせより柔軟に働けることや、就労復帰への契機、体験したかったおしごとのお試し等、様々なスタイルで活用いただいております。また企業さまにとっても、人材確保の選択肢が広がり短期的な人材不足解消、長期雇用への入口につながることから、このような形態の「スポットワーク」の需要は急増しています。

一方、働く意欲のある人が「壁」に阻まれず、自由に働ける環境を作ることも重要です。複数の会社で働く場合、それぞれの会社で労働時間を計算するのではなく、合計の労働時間に基づいて割増賃金を計算する必要があります。これは企業や働き手にとって大きな負担となり、副業・兼業を促進する上での障壁となっています。

また、短時間労働の場合において、「日給が9,300円を超えると源泉徴収が必要」という基準は長年変わっておらず、賃金水準の引き上げが続いている中で見直されておりません。結果として、事業者側における各種手続きの事務コストが増加することが想定されます。

国税庁HPにて公表されている資料によると、平成24年から変更がない。

今後も、メルカリグループは自社における人事制度の取組やサービス提供を通じて、多様な人材が活躍できる社会の実現に向け、政府への働きかけを継続していきます。

(中田 美沙貴)