2021年6月11日に、第7回EC事業者協議会が開催されました。
「EC事業者協議会」とはeコマースサービス上での不正利用やそれに伴う消費者問題等の諸課題に対して、eコマースサービスを展開する事業者が協力して対策を協議する協議会です。
eコマースサービスを展開する事業者が実効的な不正利用対策の協議することを通して消費者保護を実現するとともに、関係省庁、関係団体との連携を図りながら、eコマース業界の健全な発展を実現することを目指しています。
主な構成員:
- ヤフー株式会社
- 株式会社メルカリ
- auコマース&ライフ株式会社
- GMOペパボ株式会社
- かっこ株式会社
主なオブザーバー(会によって異なります):
- 警察庁 情報技術犯罪対策課
- 消費者庁 消費者政策課
- 総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政第二課
- 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課
今回は、「二次流通市場の課題とプラットフォームの在り方について」と題して、この議題について、ゲストスピーカーである山口真一准教授(国際大学GLOCOM )より、2020年7月から2020年12月にかけてメルカリが開催した「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」にて調査いただいた内容についてお話いただきました。
メルカリがつくりたいマーケットプレイスについての解説と、調査報告書の一部は以下のURLからそれぞれご覧いただけます。
https://storage.googleapis.com/prd-about-asset-2020/2021/01/babbe5a5-.pdf
以下、この記事では、山口准教授による調査の結果のまとめと、その含意についてご紹介します。
EC事業者協議会からの開催報告についてはこちらをご確認ください。
調査は以下の2部構成となっています。
- 二次流通市場と一次流通市場の関係
- 2020年1月~4月のマスク、体温計のメルカリでの取引が、同時期の一次流通市場に与えた影響に関する調査
- 転売に対する消費者心理
- 消費者へのアンケートを通じて「『転売、社会的に良くないと思う』基本的な傾向」「各品物・価格の転売について『社会的に良くないと思う』評価分析」「『転売、社会的に良くないと思う』にあたって消費者はどの要素を重視しているか」を調査
第1部のまとめ
第1部の結果は、
- マスクと体温計については、2020年1月~4月期において、二次流通市場での転売が一次流通市場に大きな影響を与えていたとは考えにくい。
- ただし、二次流通市場のシェアが二次流通市場内での価格の高騰につながっている可能性はあるため、数%の人が(二次市場がなかった場合に比べ、)市場価格よりも割高で購入しているということは考えられる。
というものでした。
第2部のまとめ
また、第2部の結果は、
- 定価より高い値段での出品には多くの人が否定的。特に医療・健康に関するものでは社会的に良くないと思う人が多い。
- マスク等、話題になったものでは、定価の2倍以上での販売には80~90%の人が社会的に良くないと考えている。
- 外部性評価は社会的に良くないと思う度に大きな影響を与える。
などといったものでした。
調査結果から得られる含意
さらに、全体を通して、
- ルール作りにおいては一次流通市場と二次流通市場のエビデンスベースであることが重要
- 「供給不足」「医療・健康」「外部性」「価格」はルール作りにおいて一つの基準となり得る
との含意が得られるだろうとのことでした。
マーケットプレイスの基本原則
メルカリでは、今後も「マーケットプレイスの基本原則」に基づいて、循環型社会の実現に向け、皆さまとより良いマーケットプレイスのあり方を考えていくとともに、誰もが安心して参加できる、多様で自由なマーケットプレイスを構築してまいります。
(岡本 洋平)