上天草市で地域おこし協力隊が講師となっての「メルカリ教室」を全国で初めて実施!

4月28日、熊本県上天草市で、全国ではじめて、地域おこし協力隊の方を講師にした「メルカリ教室」が実施されました。

メルカリでは、フリマアプリ「メルカリ」での出品を学ぶ「メルカリ教室」を首都圏や関西を中心に全国300ヶ所以上で実施している他、自治体とも連携し、これまでに、神奈川県や神戸市、千葉市、船橋市、蒲郡市、雲仙市、加茂市、西宮市、生駒市、行方市、南部町などで実施してきました。

自治体による「メルカリ教室」実施のパターンは、大きく3つあります。

1つ目は、講師派遣型「メルカリ教室」です。

上記のように既に「メルカリ教室」を実施しており、講師を派遣することが可能なエリアにおいては、自治体に「メルカリ教室」を主催してもらい、公民館や公共施設の会議室などに、弊社側で認定講師を派遣するという方法です。

ただ、派遣できるエリアが限定的であるため、この形では一部の地域でしか実施できません。

2つ目が、メルカリ社員実施型「メルカリ教室」です。

これまでに連携協定を締結してきた自治体や、「メルカリShops」を活用して自治体自ら販売する取り組みなど、積極的にメルカリとの連携に取り組んでくれている自治体には、政策企画メンバー自らが講師として出向き、「メルカリ教室」を実施するケースがあります。

しかし、政策企画の自治体担当のリソースにも限りがあり、この形ではそれ程多くの実施ができませんでした。

こうした中、3つ目として今後取り組みを増やしていきたいと思っているのが、自主講師型「メルカリ教室」です。

これまで、民間企業との連携においては、この形で実施してもらうケースもありましたが、とくに派遣エリア外の自治体において、この形での実施を増やしていきたいと考えていました。

こうした中、今回、全国のモデルとすべく上天草市で実施したのが、地域おこし協力隊の方を講師として実施する自主講師型の「メルカリ教室」でした。

 

地域おこし協力隊とは、2009年度から総務省が実施している制度で、自治体の募集に対して、1〜3年間、都市部から過疎化の進む地方に移住して、「協力隊員」として自治体の委嘱を受け、町おこしや地域の問題解決や活性化のための活動を行う仕組みです。

今回は、この地域おこし協力隊として上天草市で活動する方が、「メルカリ教室」を実施するための認定講師の資格を取り、自らが講師となって地域の皆さんに「メルカリ」での出品方法を教えました。

メルカリとしては、この取り組みに、2つの可能性を感じました。

一つは、前述したように、現状の「メルカリ教室」の仕組みでは、既存の認定講師を派遣できるエリアでしか常設的に実施することができませんでしたが、全国で数多くの方が活動する地域おこし協力隊と連携することで、より多くの地域で「メルカリ教室」を実施できるような仕組みができるのではないかという事です。

全国で関心も高まり少しずつ広がってきている、「メルカリShops」を活用して自治体自らが備品や粗大ごみを販売しようという取り組みも、それだけではごみ減量という程の量のインパクトはなく、両輪として、市民が主体的にリユースを進めてくれるような取り組みも必要とされています。

その意味で、この「メルカリ教室」をより多くの方々が参加しやすい形で実施していけるかが重要な要素であり、その一歩として大きな可能性が生まれたのではないかと思います。

 

もう一つは、地方に人を呼ぶための仕組みとして、ギグワーク(後述)等を支援する環境を作っていけないかということです。

全国の自治体において、人口減少の問題は等しく大きな課題になっています。とくに生産年齢人口と言われる15〜64歳の働く世代の流入、中でも子育て世代など若い世代の流入を目指すのは、どの自治体にも共通した課題になっています。

かつては、こうした人口流入のためには、工場誘致や企業誘致を行うことで、働く場所の確保が大前提になっていました。

一方で、社会状況が変わりつつある中で、メルカリのようにリモートワークを含めたハイブリットな働き方などにより、必ずしも東京に住む必要がない企業も出てくる中で、「転職なき移住」など新しい流入施策の取り組みなども始まっています。

そして、必ずしも定職だけでなく、副業など働き方が多様化する中で、新たな働き方として、時間的拘束を受けず、主にすきま時間で仕事を行うギグワークという働き方なども出てきています。

今回は、地域おこし協力隊の方を講師にした「メルカリ教室」でしたが、地域において、より多くの方が「メルカリ教室」の認定講師になってくれれば、市民の皆さんが空き時間で講師として「メルカリ教室」を行うといった仕組みもできるのではないかと思います。

将来的には、「メルカリ教室」の講師だけでなく、「メルカリShops」での自治体販売の出品サポートなどもこうしたギグワークになるかもしれません。

 

今回の上天草市での「メルカリ教室」はそんな未来につながればとの思いを込めた、新たな第一歩でもあると期待しています。

最後に、今回の実施にあたっての堀江隆臣 上天草市長による挨拶も共有しておきます。

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上天草市は、令和4年度にSDGs未来都市に選定され、持続可能なまちづくりに取り組んでおります。

今回、上天草市と株式会社メルカリが連携し、上天草市で初めて「メルカリ教室」を実施することとなりました。

市の現状として、ごみの総排出量は減少傾向にあるものの、1人当たりのごみ排出量は増加傾向にあります。このような状況を受け、これまで、生ごみ処理機器購入費補助金事業の実施や、地域へのごみ資源化推進協力金の交付などにより、ごみのリサイクルの推進に取り組んできたところです。今回、これらの取組に加え「メルカリ教室」を行うことで、市民がフリマアプリ「メルカリ」を利用することを通じて、リユースが促進され、循環型社会の形成ならびにゴミの減量化の一助につながることに期待しております。

また、本市は令和3年度に組織改正を行い、DXを所管する行革デジタル戦略課を新たに設置するなど、デジタル政策を推進しております。一方で、多くの自治体で同様の課題を抱えていることと思いますが、高齢化率が40%を超える本市においては、高齢者のデジタルスキルの向上が課題であると認識しております。フリマアプリ「メルカリ」は月間で2,100万人以上の人が利用し、テレビCMなどもされていることから、市民も親しみを持っており、スマートフォンやインターネットが苦手な高齢者が使い方に慣れる初めの一歩として、非常に適していると考えております。本取組を通じて、多くの市民に、デジタルに慣れていただき、誰一人取り残されない、人にやさしいデジタル化を目指してまいりたいと考えております。

今回、「メルカリ教室」の認定講師となった本市地域おこし協力隊の横溝南海さんは日ごろからインターネットサービスを使いこなしながらシェアリングエコノミーを推進する活動を行うなど、地域に密着した活動を行っており、「メルカリ教室」の講師として適した人材だと考えております。

今回、株式会社メルカリ様から、「メルカリ教室」のプログラム提供、「メルカリ教室」認定講師へのトレーニングの実施、メルカリ公式テキスト「みんなのメルカリ教室」の提供など本市の課題解決にご協力いただけることとなりました。

このような自治体による自主講師での「メルカリ教室」の実施は全国で2例目、うち、地域おこし協力隊が講師となるのは全国で初となりますが、このような連携が他の地域にも広がることで循環型社会の形成ならびにDXの推進の流れが全国に広まっていくことを祈念しております。

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高橋 亮平