8月31日に、各省庁の平成31年度予算の概算要求の内容が公開されました。
今年6月に決定された「未来投資戦略2018」も踏まえ、各省から財務省へ、具体的な予算要求がなされています。(参考→ 未来投資戦略2018を読んでみた(フィンテック編))
各省の予算要求の内容を見れば、来年度以降、政府が何をしようと考えているかを推察することが出来ます。
今回は、メルペイが取り組む「キャッシュレス」という切り口で、各省の概算要求を見ていきたいと思います。
まずは、経済産業省です。
経産省は、今年7月、「キャッシュレス推進協議会」を設立しました。キャッシュレス推進協議会では、キャッシュレス社会の実現に向けた取組について検討を行うとともに、キャッシュレス決済に係るルール整備についての対応策を本年度中に取りまとめることとなっています。協議会の動きも踏まえて、以下のような概算要求が行われています。
http://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2019/pr/ip/shosa_09.pdf
「地域需要喚起キャッシュレス実証事業」として、新規事業にも関わらず、29.5億円という大きな額で要求されています。経済産業省の本気度が伺えます。
本事業は ① 決済手数料を国が補助し、消費者に還元、② 決済端末の導入補助の2本柱からなります。
①②の補助条件に「決済事業者等と自治体・地域 金融機関・商工会・商工会議所等が連携(例:加盟店開拓を 地域金融機関が担う等)に合意している」と記載があることから、全国まんべんなくキャッシュレスを進めるのではなく、やる気がある自治体と決済事業者が組んだ地域で、一気にキャッシュレスを進めようという方向性が伺えます。例えば外国人観光客等のキャッシュレス決済の需要が実際に存在する地域で、実証実験的にキャッシュレスを導入し、消費者に割引やポイント等のインセンティブを付与することで、キャッシュレス比率上昇を一気に加速させるといったやり方等を企図していると考えられます。
次に総務省です。総務省においても、モバイル決済の普及決済という項目で、「モバイル決済モデル推進事業」として、4.5億円の予算を新規要求するようです。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000571711.pdf
キャッシュレス推進協議会等で標準化が検討されている、キャッシュレス決済の技術仕様や業務プロセスを、実際に世の中に広げるための実証実験を行うようです。また、実証を行う際には、決済業者の手数料率はある程度低廉である必要があるようですね。実証実験によって、標準化のPDCAがうまく回っていくことが期待されます。
2020年の東京オリンピックに向けて、政策におけるキャッシュレスの熱はどんどん高まっていくことでしょう。
メルペイでも、少しでも日本のキャッシュレス比率向上に貢献できるよう、自社のビジネスをいっそう成長させることに注力すると同時に、その基盤となるよりよい政策・ルールづくりに貢献していきたいと考えています。
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