「空き家利活用2.0」でメルカリ・ソウゾウが自治体と連携。「メルカリShops」での販売など南部町で実施開始

メルカリとソウゾウは、9月21日、自治体との公民連携による空き家活用の新たな取り組みを開始しました。

「メルカリShops」を活用し、空き家に残る家財等のうちまだ使えるものを、南部町(鳥取県)と同町のまちづくり会社(NPO法人なんぶ里山デザイン機構)が連携して販売、住民が自ら「メルカリ」を使って空き家に残る家財等を整理できるようサポートしていくため「メルカリ教室」も開催します。「メルカリ寄付」の寄付先に南部町を加え、集まった寄付金を空き家活用に充当することで、継続的な空き家利活用を推進していきます。

 

国内の空き家の数は800万戸を超えるなど20年間で1.5倍に

国土交通省の調査※1によると、日本における空き家は2018年時点で全国約849万戸となっており約20年間で1.5倍になるなど、増加の一途をたどっています。多くの自治体では空き家条例を制定するなど、空き家対策が全国的な課題となってきました。 適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしており、地域住民の生命・身体・財産の保護、生活環境の保全、空き家等の活用のため対応が必要だとされています。

※1 国土交通省 平成30年住宅・土地統計調査の集計結果

https://www.mlit.go.jp/common/001314574.pd

 

空き家の利活用で移住者を受け入れる先進的な取り組みを進めてきた南部町

南部町は、鳥取県西部の島根県との県境に位置した人口約1万人の町です。

環境省が2015年に発表した「生物多様性保全上重要な里地里山500選」では、西日本で唯一、全町域が指定された里山でもあります。

こうした里山環境も上手く活かし、近年増加する空き家の有効活用を積極的に進めることで、移住者を呼び込むことに成功してきた町でもあります。

これまで、空き家の利活用を促進するために、まちづくり会社であるNPO法人なんぶ里山デザイン機構と連携し、空き家の改修、家財の片付費用の助成、空き家のサブリースなど全国でも先進的な空き家の利活用事業を進め、多くの移住者を空き家を活用して受け入れてきました。

具体的な取り組みの1つが、「空き家一括借上げ制度」であり、町内で空き家となった物件を町が10年間借上げ、賃貸住宅として移住者などに提供しています。2016年度からは事業主体をNPO法人なんぶ里山デザイン機構に委託し、契約した空き家を専門業者がリフォームを実施、委託を受けた宅建業者が物件管理、家賃の収受などを行っています。

また同時に、町内の空き家の有効活用と、定住促進を目的として、空き家を借りたい移住希望者に情報提供し、有効活用を進めています。

一方で、 取り組みを進める中で、「家財の片付け費用が十分でない」、「片付けする人がいない」、「捨ててしまうには もったいないものがある」という課題が、顕在化してきていました。

家財等の「メルカリShops」販売など「空き家利活用2.0」へ

ソウゾウが運営するスマホ1つで誰でも簡単にネットショップを開設できるEコマースプラットフォーム「メルカリShops」を通じ、まだ使える空き家の家財等を南部町と連携し、NPO法人なんぶ里山デザイン機構が販売を開始いたします。

まだ使える空き家の家財等の販売を支援することで、自治体にとって大きな課題となっている空き家の対策を進め、これまで南部町で取り組んできた空き家を活用したまちづくりをさらに進めるとともに、循環型社会推進の視点から町のごみの排出量の削減とリユースによる資源の有効利用につなげていきます。

また、町の事業として実施している住民の皆さんに仕事を提供する「しごとコンビニ」の仕事の一つとして「メルカリShops」での販売サポートを加えることで、地域の皆さんの所得の向上にもつなげることで、地域活性化も図っていきます。

「メルカリ教室」に挑戦中の南部町長

同時に、メルカリの運営するフリマアプリ「メルカリ」も住民の皆さんに空き家対策においても活用いただけるよう、町と連携して「メルカリ」での出品を学ぶ「メルカリ教室」も実施。

さらに、空き家の利活用推進を継続して実施していくための財源確保の一つとして、「メルカリ寄付」の寄付先に南部町を加えるとともに、集まった寄付金を町の空き家利活用の推進に活用することとしました。

「メルカリ寄付」で南部町の空き家対策に寄付をする方法については、ガイドまたは動画でご確認ください。

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「メルカリ寄付」の寄付方法: 売上金等からチャージされたメルペイ残高を通じて寄付ができます。

詳しい利用方法は以下のページをご確認ください。 

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南部町長も参加して「空き家利活用2.0」の取組発表会を開催

左からソウゾウ石崎、メルカリ高橋、陶山 南部町長、毎川 理事長

9月21日には、南部町からは陶山清孝 町長、まちづくり会社のNPO法人なんぶ里山デザイン機構の毎川秀巳 理事長参加のもと、メルカリから経営戦略室政策企画参事の高橋亮平、ソウゾウから政策企画参事の石﨑忠行も参加し、メディアに対して、今回の「空き家利活用2.0」と名付けられた取り組みについて、メディア向けの発表会を行いました。

メルカリ、ソウゾウ、南部町は、本取り組みを通じ、空き家のさらなる利活用推進につなげていくことで、地域の活性化を図るとともに、今後の全国の自治体における空き家活用推進のモデルとしていきます。

メルカリグループは今後も事業や企業活動を通じて、限られた資源が大切に使われ、誰もが新たな価値を生みだせる社会の実現に貢献してまいります。

 (高橋 亮平