第2回 Innovation Gardenに政策企画の高橋が登壇。日本流サーキュラーエコノミーの未来

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Innovation Garden 実行委員会(三菱地所株式会社、読売新聞社、株式会社博報堂)主催、経済産業省後援で、コロナ禍の社会課題に世界と日本のイノベーターが向き合い、共創し、イノベーションを生み出すビジネスカンファレンス、第2回 Innovation Gardenが、2月26日(金)にオンラインで開催されました。

Innovation Gardenでは、世界最先端の3つのカンファレンスである「Ars Electronica、Border Sessions、C2」をパートナーに、彼らの知見を活用したオリジナルワークショップを実施したほか、業界の壁を超えた価値観が混ざり合うキーノートセッション「AZUMAYA SESSION」では、思想家で経済学者のジャック・アタリ氏をはじめ、世界と日本を代表するイノベーターなどが登壇しました。

このInnovation Gardenで、キーノートセッション「AZUMAYA SESSION」のうち、「日本流サーキュラーエコノミーの未来」のセッションに、株式会社チャレナジーの清水敦史 代表取締役CEO、株式会社バイオームの藤木庄五郎 代表取締役とともに、メルカリ政策企画参事の高橋亮平も登壇しました。

配信は、3月26日まで行われているそうですので、ご関心のある方は、以下からチケットをご購入ください。

株式会社博報堂ケトルの清水佑介氏をモデレーターに行われた「日本流サーキュラーエコノミーの未来」セッションは、「垂直軸型マグナス風力発電機」でフィリピンなど新興国の無電化地域を電化していくことをめざしている清水さん、いきものコレクションアプリ 「バイオーム」で生物多様性の保全を社会の当然にをめざしているめざしている藤木さんとともに、多角的な視点でサーキュラー・エコノミーの可能性について議論してきました。

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今回は、その中で、メルカリの考えるサーキュラー・エコノミーなど、私がお話した内容について、ご紹介します。

先日merpoliにサーキュラー・エコノミーについて書いた記事もありますので、よろしければ、こちらの記事もあわせてお読みください。

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フリマアプリと二次流通の可能性

メルカリのサービスについては、国内では多くの方に知っていただけるようになってきましたが、現在のメルカリのGMV規模は6,000億円超になっています。

一方で、経産省の試算によると、1年間の不用品の推定価値は7.6兆円と予想されており、不用品の価値というのは、まだまだ可能性があるのではないかと思っています。

国内におけるCtoCのECは成長を続けており、2018年から2019年においても9.5%成長しています。

メルカリ自体はCtoCのフリマアプリのサービスですので、みなさんからすると、いらないもの売ってお金を稼ぐとか、そういったイメージがあるのかもしれませんが、創業者の山田の思いとしては、世界を回ると、日本のようなものが溢れている国がありながら、一方でものが不足しているような国もあるという状況になっており、それは日本国内においても地域差があります。ものに着目しますと、自分にとって役目を終えたものでも、もの自体の価値がなくなっているわけではないので、そういったものを次の役目を果たしてもらうために次の人に渡していくというような、いわゆる循環型社会を実現していこうというサービスをつくりたいというものがありました。

こういったフリマアプリが多くの人に使われるようになって、人々の考え方も変わってきていると思っています。

いわゆる新品しか買わないような人たちも、新品購入する際にリセールバリューがいくらぐらいになるのかということを考えるようになってきています。

例えば、かつてはマンションや車を購入する際には、中古で売る際の価格を意識して購入したり、日本人はその価格を意識し過ぎて、車がほとんど白と黒になってしまったりしているということがあったわけですが、そういう意識が、アパレルなどさまざまななものに広がりを見せてきているところが、社会状況の変化として起こってきているのではないかと思っています。

我々メルカリを含めたフリマアプリサービスというのは、サーキュラー・エコノミーの一端を担うビジネスだと思っていまして、いわゆるリユースを促進させるビジネスであるので、我々のビジネスが拡大すれば、それだけサーキュラー・エコノミーが成長していると見ることもできるわけですが、そういったものではある種の限界が見えているわけで、サーキュラー・エコノミーを今後展開していくには、もっと幅広い業種を巻き込んだ経済の枠組みを創っていくことが重要ではないかと思っています。

政府のみなさん、とくに菅総理は、2050年のカーボンニュートラルや脱炭素といったことを話し始めていますが、こうした流れとも関係を持ちながら、このサーキュラー・エコノミーを日本国内でももう少しムーブメントにしていければと思っています。

我々としては、メルカリのような二次流通企業だけでなく、メーカーはじめ一次流通とも連携していけるようなサーキュラー・エコノミーが作っていけないかというのが、今後の課題として考えているところです。

そんな中、一つ我々が今後の可能性として考えているのが、データ連携です。

メルカリの中には、さまざまな購買データはじめ、二次流通のデータが蓄積されていますので、こういったものを一次流通のみなさんに提供したり、連携させていただくことで、ターゲッティングみたいなことをやってもらったり、データ分析してもらったり、あとは相互送客しながらビジネスのチャンスを広げていくなど、そういう連携ができるのではないかと思っているところです。

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もう一つお話したいのが、もののバリューチェーンと、一次流通と二次流通の連携の可能性という話です。

一次流通のもののバリューチェーンの中に、二次流通による経済も構築しながら、一次流通と二次流通が連携しながら、新たなビジネスも生んでいくという仕組みを創っていくことが重要なのではないかと思っています。

冒頭、大量生産大量消費のモデルが変わってきているということが紹介されていましたが、そうするとビジネスがシュリンクしていくのではないかと思う方もいるかも知れませんが、一次流通と二次流通が連携することで、新たなビジネスが生まれてくる可能性があると思っています。

分かりやすく、鞄や靴で例えると、一次流通と二次流通が連携した際に、鞄とか靴の修理のようなビジネスが非常に伸びていたりします。

例えばこういったものが、家電などさまざまな新しい分野に広がった場合、一次流通と二次流通が連携によって、リペアやアップサイクルのあらたなビジネスが生まれたり、修理だけでなく、製品保証をしていくビジネスや保険に関わるようなビジネスが生まれてくる可能性もあります。

こうした新しいサーキュラーの仕組みについても今日議論できればなと思っています。


サーキュラー・エコノミーにつながる考え方は昔からあったのか?

地球の環境には限界があるので、環境問題については関心を持たなければならないというのはだいぶ以前からあったと思います。

一方で、2つの点で変わりつつあるのではないかと思っていまして、1つは、若い人を中心に、そういった問題意識を持つ層が広がっているのではないかと思っていまして、マスになりきれているかは別として、例えば環境を重視した商品といって出すと、そういった商品を選んで購入したりといった、そういう人たちが出てきているというのは一つあるのではないかなと思います。

もう一つは、環境問題というのはどうしても、べき論でやる要素が強いので、意識の高い人はやるけれども、そうでない人は、「そう入ってもねぇ・・・分かってはいるんだけど」という対応が多かったのではないかと思うんですけど、サーキュラー・エコノミーというのは、環境問題に関心が高い人だけではなく、経済を考えていくべきだという方々にとっても環境問題を無視できない状況になってきているというところが一つ大きな違いだと思います。また、広めていく際には、これまでの環境に優しい活動としての企業CSRや、SDGsではあるかもしれないが実質的には企業負担になってしまっているという活動に加え、さらにビジネスや経済を巻き込みながら、こういった活動をしていった方が、社会から評価をされ購入もされて、ビジネスもより成功するという流れをどう作っていけるかということが重要な気がします。


意識高い人以外にも広げていくためには欲求にうったえることも重要なのか?

メルカリは今、月間アクティブのユーザー数で1,750万人超の方に使ってもらっています。

日本の人口から考えると物凄く多くの方に使ってもらえるようになってきていると思っています。

一方で、私、前職が大学の准教授だったこともあり、今もメルカリを使った教育プログラムをやったりしているのですが、面白いのが、先程お話したように、メルカリのサービスというのはリユースのサービスなのですが、高校生などに、「皆さんは3Rに関わる活動ってどんなことをしていますか?」と聞くと、「ペットボトルの分別」などと答える生徒が多く、メルカリを使っている人も「メルカリ」という言葉が出てきません。

そういう意味では、「メルカリ」のサービスを使っている人たちというのは、サーキュラーだということを意識しないで使っているのではないかと思います。

お小遣い稼ぎであったりとか、自分が持っているものを次の人に使ってもらえればとか、そういう意味では、テーマになってる欲求によって広がるという側面もあるのかなと思っていますし、べき論で、サーキュラー・エコノミーをするべきだといって行動が必ずしも変わるわけではないので、一方で、どうブームにしていくかや、逆にこういう活動をしていくことがオシャレだとか、それがビジネスにとって成功につながるとかなど、そういったムーブメントを起こしていく枠組みで創っていくことが重要なのではないかなと思います。


日本ならではのサーキュラー・エコノミーを進めるための文化や特性はあるのか?

よく言われる「もったいない」みたいな話もそうですし、コロナの対応などでもそうですが、日本って決まったらみんなでちょっと我慢して「ちゃんとやろうよ」みたいな文化もありますし、こういったサーキュラー・エコノミーがある意味で日本の方向性として位置づけられて、コンテンツを持ってみんなでやろうよというブームができたら一気に進むとかは、あるかなと思います。

もう一つ、我々のような二次流通の面から見た日本の特性はということで言うと、物流が整っているというのは、我々みたいなビジネスにとっては伸びる要素としてあると思います。

そういう背景には、日本の国土が狭くて人口が集中しているとか、端から端までインフラが整備されているとか、それから、働く人達のモラルであったりとか、それなりの学力であったりとかが一定していて水準を超えているとか、そういったことをあげれば、さまざまあると思います。

そういった強みをどう生かしていくかも重要ですし、逆に言うと、今挙げた物流などで言えば、我々は環境の負担をかけてしまっているので、そういったものをどうしていくかみたいなところには、一方で我々みたいな企業には課せられているのではないかと思います。


国内に閉じないことが重要だと思うが、メルカリも海外を意識するか?

メルカリ自体が、創業者が、日本でビジネスを成功させようということだけではなく、創業当初から世界でビジネスを成功させるんだという目標を持っています。

今も日本のメルカリだけでなく、米国においてもメルカリUSというものがあって、こういう意味では日本に閉じたサービスと言うよりも、世界規模でどうビジネスを広げていけるかということは意識しています。

一方で、ECサイトなどでも最近は越境ECという国を超えるECも多く出てきていますけど、そういうところをどう広げていくのか、一気に広げるやり方もあれば、個々の国々で広げた上でというやり方もありますし、海外のフリマアプリとの連携など、色々なやり方があります。

ただ皆さんからもありましたように、日本だけでビジネスを閉じるという時代でもありませんので、そこは広げていく必要があるのではないかと思いますし、そこを意識することは大事だと思います。

一方で、言われているように、サーキュラー・エコノミーについて言えば、ヨーロッパが何歩も前に出ているわけですけど、かつてのようにヨーロッパのものをそのまま日本に持ってきて、それを上手く真似られたから良いという形というよりは、日本ならではのサーキュラー・エコノミーというものをどうつくるかということが大事で、私自身は、そこに「環境保全とかエコを中心にしたサーキュラー・エコノミーをやるべきだ」というよりは、経済成長や産業転換など、今、成長戦略に必要だと言われる要素をこのサーキュラー・エコノミーで作り上げて、日本型モデルを新しくつくることで、世界に新しいベクトルというか、方向性を示すことになるような、そんなサーキュラー・エコノミーモデルをつくることができるのではないかなという期待はあります。


サーキュラー・エコノミーを今後創っていくに当たって何が課題なのか?

今日もどちらかというと環境系の企業の方々が集まったなと思っていまして、サーキュラー・エコノミーと言うと、どうしても環境に対する関心の深い方々が集まるのですが、そういう人たちだけでやっているうちは、サーキュラー・エコノミーが国民的な運動になったりとか、全体的な方向性にはならないと思うんですね。

その意味では、どのようにそれ以外の人たちにも「サーキュラー・エコノミーをやらなきゃ」と思ってもらえる仕組みになっていくかということが、むしろ大事ではないかと思っていまして、異分子を入れながら、関心を持っていなかった層を巻き込んだサーキュラー・エコノミーをどうつくれるかが重要だと思いっています。

弊社のようなリユースの仕組みで言えば、やはり一次流通と二次流通をどうつないでいくかが大事で、例えば、アパレル一つをとっても、メルカリのような二次流通をやっていると、一次流通の販売の障壁になっているように思われることがあるのですが、そういうことをもう言っている時代ではなくて、一次流通と二次流通がつながることで、例えば、メルカリで物を売ったら、その方は次に店舗で商品を買う新規顧客になる可能性があります。

それから、家電などで言えば、二次流通で売るのに品質保証が、出品者の写真と文章だけでは分からないので、例えば、車などが分かりやすいですが、メーカーさんは中古車販売をする際に、自らが販売して、中古車なりの品質保証して売っているわけですけど、こういったことが、もう少し家電や生活用品などさまざまなところに広がっていくことも大事だと思っています。

そういう「『サーキュラー・エコノミーと関係ない』と思っている人たちを巻き込んでやっていかないと、日本経済がこれから成長しない」とみんなで思わせるとかですね。

サーキュラー・エコノミーの中で提供される商品を買った方が、オシャレだし、お得だよという消費者のムーブメントをつくるとか、そういう動きを創り上げていくことが、むしろ、今日もパネリストに3社が来ていますが、我々のようなサーキュラー・エコノミーにダイレクトな企業の次の課題になってくるのではないかと思っています。


活動する中で制度上の問題や規制といった壁にぶつかっているのか?

ベンチャーでやっていれば、みなさんいっぱい「何でこんな規制があるんだろ」っていうのは、感じてらっしゃるのではないかと思います。

そういう意味では、ベンチャーはじめ企業だけではできないこともあると思いますので、政府とも歩調を合わせながら、国をどういう国にしていきたいのかだったりとか、そのために、それぞれの企業がどういう役割を担わなければいけないのかだったり、そのために、規制などが今あって、企業がそのベクトルが進められないという状況があるのであれば、規制を緩和するとか、特例を認めるとか、特区で実施するとか、さまざまな工夫をしながら、どうすればその方向に社会が進んでいくのかということを我々と両輪でやっていくような動きというのは大事かと思います。

そういう意味でいうと、僕らは政策企画というチームで、政府や省庁などとも情報交換をしたり、連携したりなどもしているのですが、もっと民間の声を聞き入れる仕組みであったりとか、ルールメイキングってどうしても政治家と官僚でやるみたいなところがあるので、とくに成長戦略であったりビジネスであったりが関わってくるようなルールメイキングにおいては当事者が関わってくるようにするというのは大事だと思います。

今や「この分野はこの人たちに任せておけばいい」という時代ではなくっていると思うので、みんなでよってたかって、ここに向かおうと決めたら知恵を出し合いながら一緒に考えるというのが大事かなと思います。


サーキュラー・エコノミーを社会に実装するために必要なプレイヤーとは?

一つは政策とビジネスとトレンドみたいなものが、一気に同じ方向で動いて行くような状況を作らないとなかなかサーキュラー・エコノミーがブームになるということはないかなという気がするんですね。

そういう意味では、政府というのは一つのプレイヤーとして重要なのかなと思います。

このサーキュラー・エコノミーについては、最近、環境大臣と経団連が話し合ったという話が報道されていましたが、現状の日本経済を中心で担っているような大企業で、今まではサーキュラー・エコノミーみたいなところからは遠いと思われていた人たちがプレイヤーとして関わることが非常に重要だと思います。

一方で、新しいイノベーションを生み出せるという存在は、日本国内でもまだまだ少ないですから、それは、ベンチャーだったりとか、NPOも含めた社会起業家だったりとか、若い人たちだったり、そういうイノベーションを起こせる存在も一つのプレイヤーとして重要な要素を担うと思っています。

それから、先程から言われていますが、企業側だけが動いて社会が動くという時代ではなくなってきていると思いますので、消費者という言い方がいいのか、国民、市民といういう言い方がいいのかは分かりませんが、一人ひとりの行動が変わるということや、思考が変わるということが最も重要で、そこもいっぺんに変わっていかないとなかなか世の中は変わっていかないと思います。


ゴミをゴミにしないことなど、二次流通の最後を考えていくことも重要では?

「メルカリ」の中で面白いものがあって、トイレットペーパーの芯を100本集めるとメルカリの商品になったりするんですね。

それってなぜかと言うと、保育園の先生などが、工作でトイレットペーパーの芯を使いたいという時に、クラス分使えるトイレットペーパーの芯を揃えているようなお店などないので、メルカリで買うということになっているのですが、それってある面でいうとゴミを減らしているじゃないですか。

アイデアによって、これまでゴミとして捨てていたものが商品になるっていうのは、それが必要な人達がいて、その人たちに渡せるという意味合いで言うと、そういう部分は、メルカリが担っている部分もあるのかなと思います。

そういうところって、もっと価値があるからみんなでやろうよっていうことを運動を起こすというのは、今のお話を聞いて、あるかなと思いました。

メルカリで今までやってきたもので言うと、バリューチェーンの中でも一次流通で売られたものが、二次流通で回っても、一次流通の人は得をしないので、これはやるとも、やらないとも無責任なことは言えないのですが、弊社の経営者などが将来的にはと外でも話すことの中に、カラオケ屋さんで歌を歌うと、著作権使用料が作った人に行くじゃないですか。同じように二次流通で何回も売買されると、作った人や会社にその度にお金が入る仕組みなども考えられるのではないかと思うんです。

そういった色んな仕組みを作って回していくことで、何回も使われていくようにしようという発想はあったのですが、指摘されたように、「二次流通の責任として、最後どうするの?」というところについては、私個人でもあまり頭になかったなと思うので、そこはサーキュラーを担う企業としての責任として、そこをどう考えるのかということについては、もうちょっと私自身の宿題にさせてもらいたいなと思います。


日本だからこそ生まれる新しいサーキュラー・エコノミーの可能性を

個人的な意見になってしまうかもしれませんが、QOLみたいな話も出てきて、経済だけでないライフプランだったり、どういう社会で生きていきたいかだったりとか、少しずつ変わろうとしているわけですけど、それをどう作っていくかという視点と、もう一つは、先進国と呼ばれ、かつてJapan As Number Oneなどと言われていた日本が、もはや経済的には今後、後進国になっていく可能性もある状況の中で、どうやって再び先進国になっていくかということを産業転換も含めて考えていかなければならないという側面と、この2つの課題をいっぺんに解決できる可能性がある数少ない要素が、私は、サーキュラー・エコノミーではないかと思っています。

先程、欧米の環境意識が高いという話をされてましたけど、私も幼少の頃、ドイツで育ったんですけど、環境意識は高い国で、一方で全員が全員環境意識が高いというよりは、意識の高い人に支えられている社会なのではないかという印象があります。

日本は逆に、みんながそれに参加するという動きをつくろうと思うと、世界で一番サーキュラー・エコノミーを進めやすい国になる可能性もあって、そういう国民性も活かしながら、新しいみんなが参加するようなサーキュラー・エコノミーであるとか、環境側面だけでなく経済の側面からも価値のあるサーキュラー・エコノミーといったものを国民全体で創っていくモデルが仮にできたとしたら、一周遅れで世界のトップに立つということもあり得ると思っています。

その議論をもうちょとイノベーティブに、ある種ブレストみたいな感じでもいいので、色んな人達と議論を始めるということが、大事じゃないかなと思います。

今日もみなさんからご意見を伺って、私自身も非常に勉強になりましたけれども、こういった議論も聞いていただいて、刺激をもらって私が話したい、俺が話したいという人もいらっしゃると思うので、そういう方々の声も聞きながら、サーキュラー・エコノミーの世界の新しいモデルを創っていければいいなと思いました。

 

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(高橋 亮平)

 

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高橋 亮平(Ryohei Takahashi)

メルカリ会長室政策企画参事 兼 merpoli編集長。1976年生まれ。元 中央大学特任准教授。一般社団法人生徒会活動支援協会理事長、国立大学法人滋賀大学講師。松戸市部長職、千葉市アドバイザー、東京財団研究員、政策工房客員研究員、明治大学客員研究員、市川市議、全国若手市議会議員の会会長等を経て2018年6月より現職。AERA「日本を立て直す100人」に選出。著書に「世代間格差ってなんだ」(PHP新書)、「20歳からの教科書」(日経プレミア新書)、「18歳が政治を変える!」(現代人文社)ほか。